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古今集巻第十七 雑歌上 931番

屛風の絵なる花をよめる
つらゆき
さきそめし時よりのちはうちはへて世は春なれや色のつねなる

屛風の絵なる花を詠める
貫之
咲き初めし時より後はうち延へて世は春なれや色の常なる

屛風の絵に描いてある花を詠んだ歌
紀貫之
咲き始めた時から後はずっと続いて世の中は春のままなのだろうか、花の色は変わらない

「うち延ふ(はふ)」は、そのまま続く意味。枝や草の蔓がずっと延びることや、そのような気持ちになって思い続けることです。
絵の花の色のが変わらないことを、春が続いているととらえ、それを自分の地位や暮らし、さらには帝の素晴らしい治世がずっと続くという言祝ぎの歌で、そういう場で詠んだものなのでしょう。

#古今集 , #雑歌上 , #紀貫之 , #屏風 , #春

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