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古今集巻第十七 雑歌上 914番

貫之がいづみの国に侍りける時に、やまとよりこえまうできて、よみてつかはしける
藤原ただふさ
君を思ひおきつの浜に鳴くたづの尋ねくればぞありとだにきく

貫之が和泉の国に侍りける時に、大和より越え詣で来て、詠みて遣はしける
藤原忠房
君を思ひ興津の浜に鳴く田鶴の尋ね来ればぞ有りとだに聞く

紀貫之が和泉の国にいた時に、大和から越えて尋ねて行って、詠んで送った歌
藤原忠房
君を思い心に留め置いて、興津の浜で鳴いている鶴を尋ねて来たら、元気だと聞いたよ

「君を思ひ興津の浜」は、「君を思ひおく(心に留める)」との掛詞、「鳴く田鶴の」と「尋ね」は掛詞です。
和泉の国は大阪府南部、興津の浜は和泉の国、今の泉大津市あたりです。

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