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Photo by
mkty_nyansuke
別離もまた誰かと別れなければならない
花には目がある
通過していく列車の跡に咲き誇り
レールの間いっぱいを埋め尽くして
ただ別れだけを眼差している
恋人に送った花束にも
死者の棺に手向けた花々にも
見るための宵が宿り
真夜中への秘められた期待が
朝露に濡れていた花弁を忘れさせる
見えていなかったのは出会いに潜む
あの優しさに似た肌触りだ
失われていくことへの恐怖におののいて
一番最初の残酷さに目を瞑り
優しさに似たものの正体が
終わりからの一瞥であったことに
気づけなかったことが別れの種だったのだ
目に傷をつける乾きを求め
レールが途切れた先にある砂丘の頂へと
砂の雨を浴びながら登っていく
頂に立って、振り返ると
去っていく列車が花々を蹴散らして
消失点へと向かっていくのが見える
別離もまた誰かと別れなければならないのだ
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