マイノリティとは自認であって他認ではない:後藤の場合篇
中学生の時分、父親と初めてけんかをした。
それまでにも、学校の宿題で作文や絵の提出があると、ことごとくダメ出しをされるので
「今日宿題に作文があるっちお父さんに言わんで」
と母に頼んでいたレベルの小競り合いは多々あったのだが、このときは明らかに「怒られる」ではなく「けんか」だと自覚した瞬間だった。
(余談だが、父が修正を入れると作文は各段に良くなったし、絵も筋が見えて見違えた。そしてそうした提出物がことごとく何かの賞を受賞するので、娘はますます父に見せるのが嫌になった。その結