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チノアソビ大全

Podcast「チノアソビ」では語れなかったことをつらつらと。リベラル・アーツを中心に置くことを意識しつつも、政治・経済・その他時事ニュースも交えながら林田(専門:総務省地域力創…
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2023年5月の記事一覧

コージ・モリヤマの軌跡 篇

1.サウダーヂな夜 岡山に来ています。  渋谷の若者がハチ公前で待ち合わせするのと同様に、岡山の若者はこの桃太郎前で待ち合わせするのであります。それくらいに人が多くて後ろからのショットです。  今回、岡山に来た理由は、岡山市議会議員を務める森山 幸治に会うため。もともと彼は岡山でサウダーヂな夜というカフェ&バーを営んでいました(今は元スタッフに経営を譲渡しています)。ぼくは開業一年目からの常連だったのですが、このコージ・モリヤマとの出会いがTAOの創造に繋がっていくことは

「独りじゃない」という安心感が欲しい女たち:マドンナたちのララバイ篇

「もう私には、需要がない。」たぶん最近、「少子化を考えるシリーズ」をやっているせいだと思うのだが、先日こんなメッセージをいただいた。 どこかで聞いたような話である。読みながら、胸をかきむしられる想いだった。 そんな彼女には、「聖女(マドンナ)たちのララバイ」を歌ってあげたい気持ちでいっぱいだ。この世は戦場。闘っているのは、もはや男ではなく女なのかもしれない。 そう、こんなとき、カラオケでは「元気を出して」が定番だ。が、あえてまりやではなく、マドンナの出番だ。岩崎宏美なのだ。

奇説 今昔物語集 vol.006 -明尊僧正、三井寺へ行く-篇

 「天下之一物」として、源 頼光とともに並び称された平家の武士、平 維衡(これひら)と平 致頼(むねより)。坂東平氏として、関東に領地を持っていた二人は、伊勢の所領を巡って抗争を繰り広げます。最終的には維衡派が勝利し、清盛まで連なる伊勢平氏が始まるわけですが、今回の主人公は敗れた側の致頼の子、平 致経(むねつね)です。 1.藤原頼通と明尊 今は昔、宇治殿の権力が全盛を誇っていた時のこと、三井寺の明尊(みょうそん)僧正が祈祷のための夜居僧として勤めていた。  宇治殿とは藤原

衆議院解散のそよ風が吹いてきた 篇

 チノアソビ大全は、月曜林田、金曜後藤という鉄のローテーション。今中と山本昌という二枚看板で、先発の軸が2枚しかないのにセ・リーグを制す、みたいな往年の中日ドラゴンズのような体制を取っているのであります。  ということで、毎週、月曜日更新を貫いてきたのですけれども、先週はずーっと出張で、日曜日から函館に飛び火曜までの事業スケジュール。 「あー、もう月曜日書けねーわ」 と思っていたら、後藤監督が出てきてね、 「バッター交代、代打オレ」 って言ってくれたんですよ。もうね

10年を、7年で生きる。:生誕日的誓い篇

林田社長が絶賛函館出張中のため、月曜ですが後藤がお届けします。 大変にワタクシゴトですが、本日で43歳となりました。 毎年たくさんの方に祝っていただき、本当にありがとうございます。 覚えていていただけるだけでしみじみ感謝の年となって参りましたが、徐々にWEBチケットなどを送ってもらうことが多くなりました。今日も朝から、スタバのチケットやらいただいておりまして、大変恐縮です。たぶん、みんな年齢を重ね、ギフトに対するまなざしも変わってきたということでしょう。手渡しできなくてもオ

ナイチンゲールは本当に天使だったのか:世界の偉人篇

 特技とも言えないレベルだが、クローバーのしげみから四葉を見つけることと、どうでもいいことを記憶することだけは小さい頃から得意。高校の先生がリーダーの授業でぼやいたひとことなどを、同級生と逢って話すとみんなが「あー!」と思い出し、「よう覚えとうね!」と言われる。が、代わりに昨日食べたご飯のことは覚えていない。  この「得意」はあまり人生で役に立っているとも思えないが、数字を覚えていることは、たまに役に立つ。まだガラケーのみぎり、友人知人の電話番号を空で言えたため、電話帳を開か

生きづらさの「源泉」を知る

1.チノアソビメンバーの抱える闇 Podcast「チノアソビ」は、わたくし林田めと、MC後藤、す〜社長の3人で運営するネットラジオなのであります。毎週、水曜日更新。最新号は「後藤の少子化シリーズ」最終回(多分)。  一年は52.1429周あるので、ほぼ1年半、後藤&す〜と付き合ってきたわけですけれども、本人たちは気づいていない、いや気づいていたとしても絶対に認めないと思うんですけど、この二人は本当に似ています。  それは、なんか、、、生き辛そう、ということ。  基本的に

奇説 今昔物語集 vol.005 -平安の法治-篇

 今は昔、一条天皇が即位されていた時代に、平 維衡(たいらの これひら)という武士がいた。官位は下野守であった。維平は平 貞盛の四男で、平 貞盛といえば、父の国香を親族(国香から見れば甥)の平 将門に討たれ、伯父である藤原 秀郷の軍勢を借りて将門の乱を鎮めた。藤原秀郷は、将門追悼の功績によって下野国、武蔵国の二カ国の太守となり、鎮守府将軍にも任じられ源氏、平氏と並んで武家の棟梁と目されるようになった。  未だ武士の時代、とは言えないが、歴史上に聞こえるその足音は、着実に大き

SCRAMBLEとはなにか:国防篇

右翼と言われて久しい後藤だが、本人は「保守」だと思っている。 しかしそれすらも、すべての文脈において保守の見解にアグリーなわけでもない。 国政で一番重要なのは、国防だと思っている。 というまなざしでここ10年ほど生きているが、あまりにも防衛の実態が世に浸透していないなとずっと感じてきており、このたび春日基地のモニターに応募したら見事に選出され、先日委嘱式に出席してきた。 ということで、さっそく春日基地の最重要拠点の見学などをさせていただき、いま、日本という国を取り巻く状況

奇説 今昔物語集 vol.004 -藤原氏列伝(下)-篇

 人形浄瑠璃や歌舞伎の演目としても有名な『菅原伝授手習鑑』では、極悪人として描かれる時平(しへい)のモデルとなるのが今回の主人公、藤原 時平である。実の叔父のワイフを寝取ってしまう、という壮絶な艶物語は、後世、谷崎 潤一郎の小説『少将滋幹の母』のモチーフにもなった。 1.本院の左大臣 時平 今は昔、本院の左大臣と呼ばれた藤原 時平という人がいた。時平は、昭宣公と呼ばれた日本史上初の関白、藤原 基経の子である。時平の邸宅は左京一条、現在の堀川通の東側に位置し、「本院」と呼ばれ