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「全部自分が悪い」は自責思考ではなく「隠れ」他責思考だから気をつけよう

おはようございます!

自責と他責という言葉があります。自責は自分で責任を負うこと、他責は他人に責任を求めること。言葉の意味は字面を見れば誰でもわかるでしょう。しかし時に間違った使い方をしている人を見ます。

これは自責?他責?

例えばあなたがスマホを操作していて、うっかり地面に落として画面が割れてしまいました。それに対して「ああ、不注意でスマホ割ってしまった…壊れたのは自分のせいだ…」と思うのは言うまでもなく自責です。一方で「こんな程度の衝撃で壊れてしまうなんておかしい!スマホ作ってる会社が交換代や修理代儲けるためにわざと壊れやすく作ってるんだ!そいつが悪い!」と思うのは言うまでもなく他責です。

ここまではわかりやすいんですが、次のような例だと間違える人が多いです。

例えば4人家族の家の夕食後の台所。家族全員の食い散らかした食器が積み重なっているのを見て母親がこう思います。

「全員分の食器を洗うのは大変…本当はやりたくない…なんでみんな自分でやらずに私がやるの当たり前と思ってるんだろう…だけど自分は専業主婦なんだから甘えちゃいけない…本当は嫌だけど、この生き方を選んだのは自分なんだから私が我慢して家事は全部やらなきゃ!頑張れ私!」

これは一見自責に見えますが実は他責です。あえて言い換えるなら「隠れ他責」です。この状態に陥ると、周りから見たら元気そうに見えてもどこか無理が生じています。なんとなくこの先の展開予想できませんか?このお母さんはおそらくどこかのタイミングで我慢の限界が来ます。今まで頑張ってきた自分の努力が全部無駄に思えるような瞬間が訪れます。その時心の中でこう叫ぶでしょう。

「どうして私の気持ちを誰もわかってくれないの!」

おそらくこれが本音です。この言葉は確実に他責で、裏側には「私の気持ちを理解しないで私にやりたくないことやらせるような状況にした家族が悪い!」と言う気持ちが隠れています。最初に自責っぽく見えていたのは、他責の本音を自責の理性で押さえ込んでいたからです。一時的にはそれで治るのですが、問題の根本を解決していないので対処療法でしかありません。時間が経てば心の奥底に抱えた不満はどんどん膨らんでいき、どこかのタイミングで爆発してしまいます。

前置きが非常に長くなって申し訳ありません。今日のテーマは「自責」と「他責」と「隠れ他責」の話です


自責か他責かは本能的に決まっていて抗えない

よく自己啓発系の発信で「他責思考ではなく自責思考で生きよう!」みたいことが書かれます。そのせいで真面目な人は「自分も自責思考を持とう!」と意気込むわけです。

しかし残念ながら自責思考とか他責思考というのは意識してすぐにパッと切り替えられるものではありません。ほとんどの場合生まれつき自責か他責かというのは人それぞれ既にどちらかに定まっています

例えば道を歩いていて人と肩がぶつかったとします。その時に咄嗟に出る言葉はどちらでしょう?

1、あぶねぇな!
2、すいません!

1の場合は他責、2の場合は自責です。これは反射的に出る本能的なものなのでそう簡単に変わるものではありません。ですがまずこの事実を自覚していない人が多い印象です。「自責か他責かは考え方の問題!他責は悪くて自責の方が正しい!自責思考にならなくては!」こうやって考えてしまうとむしろ本来持つべき自責思考からは遠ざかってしまいます。

本能と理性は切り分けて考える

生まれつき自責か他責か決まっているなら、それは無理やり変えようとするのではなく「そういうもの」として受け入れる方がいいです。なんとなくみんな自責は良くて他責は悪いと思いがちですけど、本来はそこは性質の違いでしかなく、どちらが良いも悪いもありません。ただの「傾向」と考えると一気に楽になります。まずは自分の本能的な部分を自覚しましょう。

問題はその後。本能的に自責か他責かを判別できたらどう発言するか、どう行動するかを決める段階があります。ここは理性で決める部分なので後からどうとでもできます。

先ほどの例で行くと、人と肩がぶつかった時。本能的に「危ねえな!」と思ったとして、その後の発言・行動はどうなるでしょうか?なんとなくその後相手に怒鳴るとか、そこまでしないまでも相手を睨みつける、不満そうにしながら早足でその場を去るとか、そういう行動が思い浮かぶかもしれません。

しかし、別に発言や行動を本能的な部分と連動させる必要はありません。そこは切り離して考えることができます。例えばぶつかった瞬間はイラっとしても、すぐに申し訳なさそうな表情になり「すいません!」と相手に謝ってその場をおさめて立ち去る、などができます。心の中でも「もうちょっと気をつけて歩こう」とか反省することもできます。このように何か事が起こった際に最終的に自分で責任を負うことが真の自責思考です

自責思考と隠れ他責思考の違い

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