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日本人は世界で通用するのか?MBA留学を通じて感じた可能性


今回はMBA時代の話を少しできればと。

留学期間中にそして今現在もたまに考えていることは、日本人は海外でどの程度通用するのか?ということです。

結論から言うと、私個人の感覚ではありますが通用すると思います。それもかなりいいレベルで。ただしそれには前提条件があると思います。

今後の世界のマーケットでの需要という意味ではインドと中国には敵わないかもしれません。ただそれでも個人レベルでは、戦える人材はいるのではと思います。


前提条件は全部で4つあります。

1、英語が問題なくできること
2、恥ずかしいという気持ちを捨て行動できること
3、社会人経験が5年以上(内容によってではありますが)あること

4、パーティー好きであるほうがいいかも


ではそれぞれ細かくみていこうと思います。


1、英語が問題なくできること

私は準ドメ、いわゆる純粋培養なドメスティック環境で生きてきた人間です。
帰国子女でもなければ、留学経験もホームステイや海外での生活経験もない、
本当に旅行くらいでしか海外に行ったことのない人間でした。そんな人間が社会人になり、 体系的なビジネス知識と海外での経験やネットワークを目指して挑戦したMBA。

英語も特に得意というわけではなく、普段の仕事でも英語を使う環境ではありませんでした。

正直、MBA受験は辛かった。ビジネススクールへの出願には2つのテストのスコアを出さなくてはなりません。まずはTOEFL。大体100点前後を獲得することが望ましいとされ、皆これを目指します。アメリカのトップスクールだと、当時は104点以上必要とか、110点ないと、、、などという話もあったくらいです。TOEFLは主に、欧米の大学を出ていない学生への英語での授業についていけるのかを測るテストです。アカデミックな内容が多く、出題問題の内容に幅があるのが特徴です。
(詳しくはぜひ検索してみてください)

そしてGMAT。これは高校1年生程度までの数学と、さらには文章読解と論理的思考能力を試される試験があります。このGMATはネイティブの学生も受験するもので、いかに論理的思考能力を持ち合わせているのか、ロジカルなシンキングができるかを測るものと考えていいと思います。なので、英語はできる前提で挑戦するものです。問題の難しさもTOEFLの比ではなく、単語も知らない単語が結構出てきます。文章自体のレベルもはるかに高いものになります。

私は英語は得意でも何でもなかったので、TOEFLでは何度も泣かされたし、GMATでは正直、自分が選んだ答えが正解かどうかもわからない、手応えがわからない問題もたくさんありました。GMATは受けれる回数が年間5回まで(現在は生涯で8回?とかに変わったようで、、、)と決まっていたので、毎回受験会場の帝国ホテルの別館?の17階のテストセンターのトイレで吐きそうになることもありました。

そんな受験活動を経て、アジアに絞った僕が最終的に選んだのが香港MBA。当時、フルタイムの学生の割合は50%が中国人、20%がインド人、10%香港人、5%がそれぞれ日本人、韓国人、北米3%、ヨーロッパ3%、残りはその他のような割合でした。


まずはびっくりしたのが、インド人。訛っていてよく聞き取れない英語で長々と話します。ただし堂々としていてそれらしいことを言っているように感じます。主張も強く、リーダシップを持った人が多いように感じました。

また中国人。頑固でインド人と同じように主張が強く、なかなか折れません。アジアで戦っていくには、彼らのような人物たちと競争しなくてはいけないのだと思いました。

ここでインド人の話を。彼らのプレゼン能力は素晴らしいです。

インドの公用語はヒンディー語と英語です。なので英語はネイティブのようなものなので、非常に流暢に話ます。ただしめちゃくちゃ訛っています。留学当初は彼らの訛りに慣れていないので、全く聞き取れずにコミュニケーションに苦労しました。ただ彼らはお構いなしに話をしてきます。グループワークでも授業中でも、プライベートでもです。プレゼンでも訛っていてなんて言っているか聞き取りにくいのですが、ポケットに手を突っ込み、ポーズを決めて自信満々に話します。何となく雰囲気で、すごいことを言っているのかな?という空気感を作るのが非常にうまいです。

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ですが、ちゃんと聞いていると、誰でもわかるような常識的なことを話しています。たまに「それはちょっと違うだろ」と思うことを話していたりします。これはインド人に限らずすべての国からの留学生に当てはまりますが。

ではなぜ彼らの話には説得力がある(ありそう!?)なのでしょうか。

そう、英語をきちんと話せること、そして堂々としているからです。そしてこれは非常に重要だと思いました。発言の中身はもちろんですが、発言をし意見を言うことに意味があります。多様性を重要視するMBAは世界から学生が集まっています。違う意見やアイデアをシェアしあい、自分にない価値観や意見に触れることも重要です。


なので仮に英語でネイティブ数名とビジネス討論ができるレベルの日本人がMBAに留学したとすれば、責任感があり、さらには穏やかに議論を進めようとする日本人の需要と活躍の場はたくさんあると感じています。


2、恥ずかしいという気持ちを捨て行動できること

1、に通じるところではありますが、授業では常に発言が求められます。またグループワークでも同じです。単純にいるだけはいないものと考えられてしまい、そのうち意見を求められなくなります。よく留学した日本人が、エクセルを作ることとパワポの作成しか仕事がない、という話がありますが、まさにその状況に陥ります。

これは言語の問題もありますが、恥ずかしがらずに主張することをしないとよりこの状態に陥ります。日本の立場からの意見や、日本人的な発想など、僕らが授業やグループで提供できることはたくさんあります。

また、せっかくお金と時間を費やしているのです。自分自身の学びに最大限つなげないと損だと思います。発言することで自分の記憶にも定着しますし、授業にも緊張感が持てます。なので多少の文法の間違いや発音の訛りは気にせずに発言したほうがいいと思います。インド人も中国人も皆訛っています。アメリカ人もイギリス人も同じ英語ですが、それぞれに特徴がある英語です。誰1人として、訛っていない人はいないと思って臆せずに話す方が結果的にプラスになると思います。


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3、社会人経験が5年程度あること


よくMBAの入学基準として、職歴が3年以上というものがあります。実際に会社で仕事をしているのとしていないのでは、ビジネスに対する経験値が圧倒的に違い、授業中の発言の中身や視野の質が違うように感じました。職歴3年できた最年少の中国人同級生などは24歳で留学してきましたが、感情に起伏があったり授業中に教授と喧嘩をするなどのこともありましたし、職歴の長さが必ずしもではありませんが、全体的に授業やグループワークの発言の質などに影響している気がします。

日本人は社費で来る人も多いため、全体的に30歳前後が多いと思います。僕はこの30歳前後というのは非常にバランスが取れていていいタイミングではないかと思っています。その目安として5年程度というふうに考えています。新卒で入社し、ある程度先輩と後輩の間でもまれ、プロジェクトの責任者として事業を回すことを経験したのちのMBAというのが、僕の考える理想のタイミングのように思いました。


4、パーティ好きであるほうがいいかも(必須ではないけど)


MBAへ留学するとことあるごとに飲み会やパーティが行われます。クリスマスや新年カウントダウン、誕生日や春節(これは中華圏のみだとおもいますが)、インドのお祭りだったり、その他も、課題やグループワーク、期末ごとのテストなどが終わったタイミングで、みんなで飲みやBBQ、香港では島へ行ってBBQやなどもありました。ボートを貸し切って海上でパーティーなどもあります。

もちろんパーティーへの参加は必ずしも必要ではありませんが、参加した方が仲良くなれる機会は増えます。実際にそこまで普段仲良くなくても、パーティーで一緒に騒いだことがある友人であれば、後日、授業で同じグループになった場合や、自分たちで授業でグループを作らなくてはいけない場合、声をかけやすいというのはあります。お互いに酔っ払ってバカ話をしている手前、どのようなキャラクターかも把握できているからです。

時間にだらしがないやつ、とか口だけのやつとかもわかってきます。そういったやつとは同じグループにならないようにしたりもできるわけです。また逆も然り。酒にだらしないやつや、使えないやつと思われた場合は誰からも声をかけてもらえませんし、必要とされなくなります。

授業だけでなく、こういったイベントに参加することもMAB生活では大切で、ここで仲よかった友人とは卒業後も気軽に連絡を取り合って、関係性が続くことが多かったりします。

MBAは何を習うかも大切ですが、ネットワーキングが1番大切です。ネットワークを卒業後も保っておくことは、特にその学校があったエリアで仕事をする際には非常に大切だと思います。実際に同級生から連絡をもらい、この人が困っているから助けてあげて欲しいと言われ、顧客獲得につながったりします。

特にMBAはフルタイムとパートタイムの2つがあり、フルタイムは世界中から学生が集まるインター〜ナショナルな環境ですが、パートタイムは主にローカルの学生が多く、普段昼間はフルタイムで働いていて、平日夜か週末でMBAに通っていることが多いです。彼らはいわゆる現地のエリートで、さらには働きながら勉強しようという向上心も持ち合わせていますし、キャリア構築にも積極的です。

授業はフルタイムとパートタイムが一緒のものも多々あり、ここでもネットワークを構築する重要な場だったりします。卒業後は彼らのネットワークで人を紹介してもらえたり、転職の際には求人情報が回ってきたり、逆に手伝って欲しいなんて
連絡があったりします。

このネットワークをきちんと構築することが卒業後のMBAの効果をロングテールにするのには必要不可欠になってきます。




とざっと個人的主観100%で書きましたが、もし参考になれば幸いです。

上記はMBAに限らず、海外で働くには基本的なことだと思います。

中国や中華圏では意外とどこの学校を出ているなどは日本以上の権威となる傾向があるように思います。なので、もし海外での就職や転職を考えられている方は、MBAでなくても現地の学校に入学や交換留学をすることはプラスになる可能性が高いです。そこでのネットワークやコネクションはきっとその後のキャリアを加速させてくれるはずです。

とは言え全ては自分次第。



それでは再见!


日本と中国をエンタメで繋ぐのが目標です。青島ビールを毎週末飲んでいます。サポートいただいた場合は、美味しい青島ビールの購入費用にさせていただきます。