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コロナ禍の中国・北京起業<隔離日記①渡航:成田から西安>

みなさんおはこんばんにちわ。

お久しぶりです。だいぶ更新が滞っていますが、7月6日火曜日より中国・西安にて隔離生活を送っています。現在13日目(21日中)。

これから中国での隔離生活がどのようなものなのか、みなさんにお伝えしていけたらと思っています。



1、中国渡航の理由

今回、中国へ渡航したのは、北京で会社設立のためです。僕たちは昨年の5月くらいから北京で起業するべく動いていました。昨年もコロナのためすぐには渡航できず、銀座のサンマルクカフェで打ち合わせをしていた当時、確か2020年6月あたりは、『秋にはコロナも落ち着いて渡航できるんじゃない?』という希望的観測の会話を交わした記憶があります。が、結局なかなか渡航もできず、1年ほど経ってしまった、というのが実情です。ああ、時間がもったいなかった。


2、渡航に必要なもの

◆招聘状

僕らが入国する前後のタイミング(2021年7月)の時点では、観光目的の入国はできず、必ずビザが必要です。ビザは、現地企業や政府に招聘状を発行してもらい、それをもってビザを申請するというステップになります。なので現在、中国へ渡航する日本人はほとんどが駐在員かその家族、一部中国人と結婚して現地に家族がいる日本人に限られていると思います。その中で僕らのように起業したいというただのスタートアップのメンバーは少数だと思います。

では僕らはどのようにして招聘状を発行してもらえたのかというと、昨年夏に北京で行われたとあるビジネスコンテストでセミファイナリストになっていたので、その主催者が特別に手配してくれたという幸運があって招聘状を入手することができたのです。彼らのサポートなくしては今回の渡航はあり得なかったと思います。

ちなみに僕のパスポート番号が間違えて載っていて(発行元の北京政府のミス)、再発行をお願いした、という事件もありました。発覚したのが渡航予定日1ヶ月を切っていたので、一時は渡航に間に合わないかとヒヤヒヤしました。



◆ビザ

上記の招聘状を手に入れたら、オンラインでビザの申請フォームを記入し、ビザセンターに(中国のビザセンターは東京だと国際展示場駅にあります)ビザの申請の予約を取ります。コロナウィルスの関係上もあり、予約がない人は入室できないのでご注意を。実際に予約なしで訪れていた人が帰されていたのを目の当たりにしました。申請すると大体1週間ほどでビザが出来上がり、取りにいきます。

招聘状の発行のお願いからビザを申請して取得するまで大体3週間〜4週間程度でした。


◆PCR検査と抗体検査の両方の検査の陰性証明

中国大使館のHPには、大使館と提携している病院一覧が載っていて、そちらで出国の48時間前に検査を受けて陰性証明書を登録しなくてはいけません。

<中国大使館のポリシーは常に変わるので最新の情報を確認ください>

<大使館の認定検査機関一覧。こちらも変更の可能性ありです>


僕らは表参道のヘレネクリニックを選択して出発前日に予約を入れました。金額は28000円なり。た、、、高い。でも渡航に必要なので仕方がない。割り切りましょう。当日はパスポート、もしくはパスポートを撮影した写真が必要です。忘れずにもっていきましょう。

12時の予約でPCRを喉から、そして血液採取で抗体検査をしました。結果はその日の18時以降に出ますので陰性証明書をまた病院へ取りにいき、その結果をオンラインで登録します。これは出発までに登録する必要があり、さらには大使館での確認を経て、グリーンコードになっている必要があります。出発ギリギリより、あらかじめ前もってやる必要があります。僕は出発前日の19時半頃に登録し、20時半すぎにグリーンコードになりました。

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<陰性証明書>


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<オンライン陰性証明。大使館の認証を得る前は黄色いQRコード。取得から52時間しか持たない>


3、空港での手続き

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今回、成田空港までは京成スカイライナーで行ったのですが、減便していて、「早めについてちょっと空港の吉野家でご飯食べて仕事しよっかな」なんて目論見ははずれ、日暮里で50分近く待つことに、、、

そして空港内は空いていました。ただ誰もいなくて異様な雰囲気とかではなく、コロナ以前も深夜早朝便ではこのくらいの感じだったのではと思います。(羽田との比較ですが)

チェックインカウンターで自主隔離証明書にサインします。カウンターは長蛇の列でした。50〜60人は並んでいたのではないかと。なんとなくガラガラだろうから隣の席も使ってのんびり行けるのでは?と思った僕の考えは甘かったです。運行本数を制限している分、ちゃんと需要と供給のバランスを取っています。ビジネスクラスに空席がいくつかあったくらいで、他は満席だったのではと思います。

僕らの便は西安行きの中国東方航空でした。なぜ北京に行くのに西安にしたのかというと、僕が中国に入国した2021年7月6日当時、北京への直行便はほぼなく、また中国入国後21日経っていない人(3週間隔離が終わっていない)は北京へは入ることができないとのことだったので、一番チケットが安い西安行きのフライトを購入し、西安で隔離に臨むことにしました。片道約10万円。他の上海行きなどだと24万円(片道)だとか、日系の航空会社だと片道30万以上(汗)するフライトもあります。

僕らはスタートアップなので、無駄な予算はいっさいありません。一番安いチケット一択だったのが正直なところです。

ただし、駐在員の方などは日系航空会社を選ぶことが多いと思います。チケットは高くとも、隔離ホテルは航空会社の努力によってグレードが良く、テレビも日本の番組が映るところもあるそうです。そしてホテルのルームサービスで日本食を提供している隔離ホテルもあるとのこと。そしてWiFiも快適と至れり尽くせりだったりするそうです。予算に余裕のある方は日系航空会社で行くことをお勧めします。(のちの隔離日記で記しますが、ホテルクオリティは隔離の生活クオリティにダイレクトに直結します)


4、出国

出国に関しては、荷物検査が以前よりも厳しくなった気がします。結構みなさん、荷物を2度3度と機械に通されていたので、ボディチェック後の荷物ピックアップスペースに10人前後が待っているような状況でした。前回の渡航がコロナ直前の2019年12月に香港・深圳でしたがもっとスムースだった気がします。(その時は羽田からでした。空港での差異はあるかもしれません)

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ボーディングパスを渡してタラップを渡る前に、防護服を着たスタッフから、消毒液に浸された、よく言えばウェットティッシュ、悪く言えばアルコール消毒液に浸された少しヌルヌルするおしぼりを渡され、手を消毒します。

機内では、機内食やドリンクの提供はなく、前の椅子のポケットにお弁当ボックスがあり、簡単なパンや饅頭なんかが入っていました。ドリンクは水が1本入っているだけでその他のサービスはありませんでした。(写真撮ればよかった)


5、中国入国

フライトの西安到着が18時55分(中国時間、日本時間19時55分)でしたが、到着後、飛行機を降りるまでにしばらく待ちました(15分くらい)。その後、案内の通りに進むと、第一のゲート(と僕は勝手によんでいます)にて、体温を測られながら、パスポートを見せ、申請書にサインを書かされます。申請書はPCR検査やその他検査に協力します。みたいな内容だったと思います。そして進んでいくと、第二ゲートのモニターが置いてあり、各席が仕切られているエリアが出てきます。全部で5席ほどのエリアでは、最終目的地はどこか、その連絡先や滞在先が聞かれます。そして第三のゲート、5メートルくらいの距離を歩かされ、その間に体温やカメラで全身を撮影されているようでした。ここでランダムに抽出された人が、水銀体温計で体温を測ります。選ばれた光栄な人はここで5分ほど、足止めを余儀なくされます。僕は光栄なことに選んでいただき、子供の頃に小学校で使ったことがあったかも、な水銀の体温計で久しぶりに熱を測りました。終わりの時間が分からないので声をかけてもらうまではじっと座って待ちます。無事、熱はなかったようで行っていいと言われます。

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<第三のゲートで検温中に。ここには日本語の記載もありました>


そしてそのまま進むと第四のゲートコンテナ状の箱が立ち並ぶエリアが出てきます。一つの部屋は3畳ほどの広さで、全部で恐らく10個ほどだったと思います。そちらのコンテナ内でPCR検査を受けます。この時は両方の鼻の穴と喉からの3箇所のPCR検査です。かなり念入りだと感じます。

その後、第五のゲートの入国審査があります。こちらは普段通りですが、スピーカーを介して会話をするのですが、審査官の声が小さく、おまけにスピーカーが壊れていて音が出ないというトラブルがあり、周りにいる防護服のスタッフが壊れて音が出てないよ!と言っているのに、審査官はひたすら小声で話をしていて聞き取れない、ということがありました。結局、審査官はその後も小声で話し続け、よく聞き取れないまま返事をしていて終了という、これでいいのか、という状況で無事通過。あくまで大声を出さないのは、大声を出してはいけないという決まりがあるのかもしれません。知らんけど。

ここまでの工程で全体として、中国語が話せない人はけっこう苦労すると思います。ただし西安には日本語、英語ともにできるスタッフがいました。上海などの1級都市は日本人渡航者も多いので、もっと日本語や英語のできるスタッフが多いと思います。

入国ゲートをパスすると、下の待合室のようなところに行かされ、入口でバスチケット(25元)を購入します。これは、タッチパネル式で購入し、WeChat payやAlipayなどで支払いができる券売機で、キャッシュは使えなかったと思います。QRスキャンでも直接買えるようです。もし上記QRコードの支払いができない場合は周りの人に助けを求めましょう。(現在、クレジットカードでAlipayの登録ができ、使えるサービスがあります。これに関してはまた別で触れたいと思います)ちなみにWiFiは各所にWiFiとパスワードが書かれた紙が貼ってあり、中国のSIMカードがなくてもなんとか健康コードを見せたり、QRで支払いをしたり、微信メッセージのやりとりはできるようになっています。最悪SIMがなくてもなんとかなりそうでした。

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そしてその場で待機すること約1時間半。お腹も空いたし待ちくたびれたよ、というところでようやくバスが到着したのか列に並ばされます。この並び順でどのバスで、どの隔離ホテルに配送されるのかが決まります。なのでメンバーとバラバラにならないようにして、空港出口でバスチケットを渡す際に、何人組か人数を告げます。僕らは1番目のバスに乗り込みました。このバスには20人程度が乗っていたと思います。空港で待っていた人たちは150人程度ではないかと思います。

乗り込む前に、空港の扉から外に出ると、滑走路に無数のスーツケースや荷物が置いてあります。その中から自分の荷物を探し出し、バスに乗せて出発です。僕たちは順番が早かったので荷物の間違いなどはなかったのですが、バスの順番が遅いと、荷物を間違えられていたり、もって行かれた場合に発見するのは非常に困難になると思います。貴重品は絶対に入れない、スーツケースにはわかりやすい目印をつけておくなどの工夫が必要そうです。ちなみに僕のスーツケースの車輪部分が壊れてしまい、発見した時にはかなり、疲れもあってかショックを受けました。今回工程の移動の際に地獄が待っているな、と覚悟したものです。

6、ホテルへチェックイン

バスが発車し3、4分ほどで倉庫のようなところに着きます。外から防護服を着た数人のスタッフが社内の人数確認などを行っているようです。

バスの車内は出入り口より前の運転席は完全にシートで覆われ、ドライバーの姿は全く見えません。

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<こんな感じで前方がシートで覆われています>


バスに揺られること約1時間半、ようやくホテルに到着。途中で渋滞にはまり30分ほど動かないこともありましたが、無事にホテルに到着し、ちょっとホッとします。荷物を下ろしてすぐに、防護服を着た係員が来て、除染作業として消毒液を荷物に吹っかけて回ります。荷物はびちょびちょになるので濡れて困るものは奥にしまうか、対策をする方がいいと思います。

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<雨に降られたかのようなびしょ濡れ状態>

中に入ると、それぞれパスポートを渡し、チェックイン作業をします。僕らのホテルは1泊310元、それに1日の食事代100元の計410元の14日分、5740元にデポジットの金額を入れた6500元(約10万8000円程度)を支払います。僕は成田で人民元に換えた10万円と、足りない分はAlipayで支払いました。wechat pay, クレジットカードなども使えるようでした。ホテルによってはクレカがつかえないところもあるそうなので、キャッシュはある程度持って行った方がいいかもしれません。ここでの隔離中のホテル代などは、事前に知ることができないので出たとこ勝負です。狭い、広い、新しい、古い、綺麗汚い、WiFi早い遅いなど運次第になります。

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<金額と注意事項が書かれた紙。このQRをスキャンしてwechatでもホテルとやりとりできます>


僕らがチェックインしたのは桃源假日酒店というホテル。広さは日本のビジネスホテルと比べるとはるかに広いのと、セミダブルベッドが2つなので非常に快適。
これは当たりのホテルだ!と思ったのも束の間、結構色々な問題があったのでそれは次回以降に書こうと思います。

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ひとまず狭すぎて辛いということはない広さで、僕はここで14日間の最初の隔離中、毎日1キロ〜3キロ程度のランニングをすることになります。

ホテルについて荷解きをして、一応スーツやシャツなどをハンガーにかけ終わってほっと一息。

そんなこんなで初日が終わっていきました。
ホテルの詳細はその生活はまた次回に。

ここから西安での14日間の隔離生活が始まります。その後、7日間は西安、もしくは周辺都市で隔離をすることになります。

それではまた。再见!

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