存在と役割と

その日は空がまるでうなるような晴天だった。

雲一つないその空の下で、標識もない道路の側溝に横たわったペニオは、

ちんぽをいきり立たせていた。

「俺が標識の代わりになろうとちんぽをいきりたたせようと思ったがこの道は

いっこうにに誰も通らないじゃないか」

ペニオはちんぽをいきり立たせながら、自らの役割という物が本当に人々にとって

必要な物なのかどうかということを、疑いはじめにいた。

太陽がペニオのちんぽをじりじりと照らす中、一人のバイク乗りが、ペニオのちんぽが標識となる

道路を横切ろうとしていた。

ペニオは自らの役割がようやく果たせるのではないかと思い、ちんぽに力を入れ

バイク乗りにちんぽがよく見えるように3cmほど腰を浮かせた。

「ほーらここは一時停止だぞ!」

ペニオはしきりにちんぽを立たせたまま、自分の役割を全うしようとしていた。

バイク乗りは側溝に横たわるペニオのちんぽを見て、この場所で一時停止をしなければならない

即座に察知した。

「あぶなかった。ここは一時停止なんだね。ありがとう。

君が教えてくれなかったらそのまま通りすぎていたよ」

バイク乗りは深々と頭を下げ、ペニオにお礼を言った。

ペニオはうれしさを噛みしめながらも口をきゅっと結び

「ご苦労!それではお気を付けて!」

と一言バイク乗りに気持ちのよい声をかけた。

バイク乗りはペニオの姿をまじまじと見ながら自らの役割をただ忠実に全うする姿に

涙をこらえながらも、アクセルに力を入れた。

そうでもしないとペニオのことが気になり、永遠と一時停止をしてしまいそうだったのである。

「帰り道、またこの道路を使うよ!」

そう言い残し、少し前から吹き始めた青い風とともに去っていてた。

ペニオはバイク乗りが通り過ぎたのを見ると、

しわの寄っていた玉袋をまんまるにしながら、自らが存在する意義を改めて

味わった。

「今日はよく眠れそうだ」

ぽつりとペニオは言いながらいつ誰が来るともわからない道路の側溝に

ちんぽをいきり立たせながらただ横たわるのであった。

(おわり)


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