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質問箱032:ファンが怖くなる

※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。

【質問】


【解答】

①ミザリー現象?

ファンと作家の距離感は、難しい問題ですね……。
筒井康隆先生も、自宅に押しかけるファンに困り果て、塀を高く築き監視カメラを設置して、対策せざるを得なくなったそうです。

これが過剰な対応でなかったのは、後に胡桃沢耕史先生が、ファンを自称する女性に胸を包丁で刺される被害で、証明されました。

胡桃沢先生は、これが直接の原因ではなかったですが、1年10ヶ月後に死去されました。

そういえばスティーブン・キングの映画化もされた名作『ミザリー』も、作家に過剰に干渉してくるファンの恐怖が、描かれていました。キャシー・ベイツ演じるファンが、とてつもなく怖かったです。

②コミュ力の問題

そもそもオタクという言葉は、単に漫画やアニメやゲームを消費する人の意味ではなく。

その愛好者の中でも、コミュニケーション能力に難があり、他人に呼びかけるときに「おたくは、どちらから来ましたか?」みたいに語る一群に対する、揶揄を含んだ蔑称でした。
それが、宮崎勤事件で、一般化してしまいました。

逆に言えば、コミケというのはそういう人も排除しない、オープンな空間でもあったのですが……。

例えファンであっても、守るべき規範(ルール)はあるわけで、それを明示するのも、ひとつの方法論でしょうね。
「お互いが気持ちよく交流しましょう」というルール作りは大事ですね。

③芸は人なりだが

ただ、ファンの中には、自分を特別扱いされたい、というファンが居るのも、これまた事実です。

拒絶すると、可愛さ余って憎さ百倍で、逆に攻撃的になる人(反転アンチ)さえもいますから。

なので作家とファンの間に、ファンクラブとか別の組織など、ワンクッション置くのも、トラブル回避の方法論のひとつでしょうね。

ファンが作家本人に興味をもつのは、これ自体は悪いことではないのですが。
落語の世界では「芸は人なり」という言葉がありますが。
最後は、芸ではなくその芸人自身を見に来るような、そういう関係性は理想ですが。

作家に自分の憧れとか理想を投影するのは、危険ですね。

④作家との同一視

そういえば、ある女性漫画家さんは、会ったファンから「もっと痩せてて美人な人だと思った」と言われ、傷ついたそうです。

女性漫画家の場合、どうしても作品と作家を同一視するファンは一定数いますからね。でも、直接そういう事を作家に言ってはいけないという、ブレーキが効かないのは、困りものです。

まさに、コミュニケーション能力の問題かと。

そういう意味では、顔出しとかせずファンと一定の距離を置く、交流する場合はよほど身元がしっかりしていたり、常識をわきまえた人たちと限定的にと言うのは、自衛手段です。

SNSを見ていますと、自宅近くの写真とかSNSにアップする作家さんも多く、個人的にはヒヤヒヤしています。
今は簡単に、個人情報が特定できますから。気をつけたい部分です。

⑤距離を置く勇気

商業誌でやるなら、そういうリスクはある程度、編集部がブロックしてくれている部分もあります。

罵詈雑言のファンレター(ヘイトレター?)や、直接あって話がしたいとか言う手紙は、編集部でブロックしているところが多いです。

また作家は儲かっていると思い込み、詐欺のターゲットにしようとしたり、肉体関係を求める人間も、ゼロではないですから。

難しい問題ですが、しつこい相手には弁護士や警察などに連絡して、毅然とした対応をすることが大事でしょう。
それで離れるファンは、ファンではないと思います。

本当にこの問題は、距離感が難しく、大したことが言えませんが。
多少なりとも、参考になれば幸いですm(_ _)m


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