もう一つの教室の思い出

どうも~千夏です。
今回は昔通っていた通級について書きます。
通級とは比較的軽い障害の子が普通学校と掛け持ちで通うところです。「個別の指導を受ける」なんて説明をする場合もあるようですが、グループ学習メインでやる人、個別の教室がメインの子様々だったので個別の指導を受けるという曖昧な表現はしないでおきます。
昔々に通った通級のことを書こうと思った理由は次の2つ。
1つは最近大学で、通級を思い出すたくさんの出来事があったことです。
もう1つはnoteでみる通級のハッシュタグがほとんど親御さん目線で、通っている当事者記事が少ないことです。

通い始めたのは今から10年前なのでかなり今とは違うこともあるかと思いますが…。

通い始めたのは小3でした。
都市部に住んでいましたが「たまたま」空きがあって通級に入れたらしいです。
周りには順番待ちを数年してやっと6年から通った子もいました。
自分が知らないだけで多分順番待ちをして入れなかった子もいるはずです。

ある日突然テスト(多分知能検査)らしきものを受けて、
入れることになり、「入級式」を経て入学。
(本当は突然ではなく親と先生はそれなりに相談していたみたいです。当時は知らなかったので体感的には「突然」でした。)

入った理由は吃音とちょっとしたクラスでの問題行動(突然大声で泣く等)だったらしいんです。
入ってすぐはわけもわからず「なんか知らないけど知らない教室に連れてこられたぞ」みたいな感じでした。吃音という言葉も知らなくてボーッとしてたらいつのまにか通ってたみたいな感じです。

妹はすでに「千夏ちゃんには吃音がある」と自分より先に理解していたようで、
「千夏ちゃん、キツオンがあるから通級行くんでしょ」と言われたのを思い出します。
グループ学習がメインの子もいると書きましたが自分はマンツーマンメインで時々吃音のグループ学習に行っていました。(※グループ学習でも校舎は同じです。)


感想いろいろ

まず通級に関していちばん思うこととしては…

楽しかったです。
とにかく楽しかった。

なぜか学校には馴染めなかったから。

学校が嫌いで通級に行く日を心待ちにしていましたね。

そのうち通級も飽きたな~という時期はあったものの嫌いにはならず親には何も言うことなく通い続けてました。
 通級に行っていなかった妹は
「あそこ(通級)って遊ぶとこでしょう」とか
「通級行く人って独り言多いよね」とか
カチンとする言葉を時々言っていましたが、
自分にとっては友達のいる教室が学校ではなく通級でした。(周囲の子どもたちの理解は大事!周囲の子の反応が苦しくて通えなくなる子もどうやらいるらしい)

ここからは具体的に良かったことをあげていきますね


メリット①

校外で仲間ができる。

校外に友達ができ、すごく嬉しかったです。
クラスでは友達というほど仲の良い子はできなかったので…。自分の場合年賀状のやり取りを今でもしている子もいます。

メリット②

学校の先生が時々気にかけてくれる

これは通級通わなくてもやってくれそうな感じですが、通級の場合通級の先生、家、通級の先生でやり取りする連絡帳があったのでそこから得た情報より様々な問題に対して動いてくれた気がします。

メリット③

吃音について知る機会になる。

これはかなり大きかったです。
吃音と向き合う時間が長かった分吃音ってなんだろうととまどうことは一度もなかったです。
また向き合う機会もあるので、何か問題があっても「吃音との問題はこう向き合ったらいいよ」というのを先生と考えたり、グループ学習で他の吃音の人と話したりしました。


メリット④

親にも理解してもらう、向き合ってもらう機会となる。

自分の母は吃音のことで怒鳴ったり、ものすごく心配しすぎたりということがなかったです。

自分が通級のグループ学習に参加したり他の子と交流したりしたように
母も通級の保護者会で当事者からの話を聞いたり、他のお母さんと情報交換をしていました。

性別や性格、関わり方の差でもあるのかもしれませんが父が吃音を理解するのと母が理解するのとでは数年の差がありました。

いつでも吃音のことで母に頼っていたというわけではないのですが、基本的に小学生時代の味方は母でした。

メリット⑤

生活の一部になる。

通う曜日や時間は決まっているのでうまく生活リズムの一部になりました。
自分の場合は通級を楽しみに普通学級も頑張っていたという感じだったのでメリハリがついたなと思います。

メリット⑥

他の障害がある子についても考えるようになる。

学習障害や構音障害、聴覚障害の子との交流の機会があったので、色んな子について知れました。

メリット⑦


学校でできないことのカバーができる。

学校でどうしてもできなかった縄跳びの練習を通級でやりました。
母や通級の先生はそれをコソ練と呼んで楽しんでいました。

それ以外に確か色々コソ練した気がするのですが思い出せない…🥲
学校でやると友達の前でできないところをたくさん見せることになるので友達に比べて自分はだめだと思ってしまうかもしれませんが通級は比較対象なく練習できたので助かりました🍀

困ったこと

通うデメリットというほどではないのですが困ったこともやはりゼロではなかったです。
少し困ったことについて触れますね。 


困ったこと①

一部の学校の授業に参加できない。

通級に行くために一部参加できない授業がありました。まぁそりゃあそういうシステムなんだから仕方ないといえばそれまでですが…。
授業の遅れも多少ありました。  
基本的に算数以外は問題なかったのですが、算数は授業に参加していないとわからないことが多くて少し困りました。(元々苦手だったため。)本当にわからないことがあれば通級の先生と勉強することもできますし、母に教えてもらってなんとかカバーしていた気がします。
学習障害が主で通っている子もいたためか、自分のいたところは教科書が全部揃ってました。
(音楽や図工の教科書まであったのには驚きました。)

困ったこと② 

時々何のために行っているのかわからなくなる。

言葉を話すこと、交流すること、友達と遊ぶことまでが通級では「授業」です。
あまりにも、普通学級とやることが違うので何しに行っているんだろう…と思うこともありました。

困ったこと③

妹に「通級って遊ぶところじゃん」と言われたこと。
一度学校が休みで吃音のグループ学習があったときに妹も母とともについてきたことがありました。その時に通級の雰囲気を知って「通級では勉強しないし、遊んでいてズルイ」と思われたみたいなんです。
一番とまどう出来事でした。


思い出すこと、付き合ってくれた母とのこと

今書いたり、思い出したり、noteの他の記事を見て思うことがあります。
それは、当事者にとっては楽しくてもお母さんの負担になりやすいということです。

小学校卒業まで通うためにつきあってくれていた母。
母に感謝ですね。
帰りにおみやげを買ってもらったり、話をしたりしました。今振り返ると一番母と話した時間が通級の通学時間でした。
ちなみに交通費は自分の自治体では4分の1を負担してもらえました。回数券を買うか、プリペイドカードにチャージしておくかをするとスムーズです。
母は自分が小5の頃から働いていたので、両立はかなり大変だったかと思います。(しかもPTAもやっいたので…。)
スポーツをしたり、言葉を作るカードで遊んだりと色んなことをして楽しみました。
あそこに行っていなかったらできなかったことがたくさんあります。

通級の担当だった先生は恩師です。
こちらも今でも年賀状のやり取りが続いています。
小学校時代に吃音に関することで比較的問題にぶつからなかった理由のひとつが通級でした。
とりあえず今回はこんなとこで終わります。
ではまた~