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「あの人みたいな素敵な文章は書けない」と思ったら。

「得意なことと、苦手なことを発表してもらいます」

土曜日の朝。4歳長男の保育園の懇談会へ行くと、ベテランの先生がそう言いました。

(弟にやさしくできるところかなぁ、あとは集中するところとか・・)

私は息子について、一瞬頭をめぐらせました。
しかし先生は、続けて言いました。

「お母さんとお父さんの、得意なことと苦手なこと、ですからね〜」

ぎょぎょっ。親のことだったか(笑)えーー、どうしよう。

そこには18人くらいの親たちが集まっていて、仕方なく当てられた側の人から、自分の得意なこと・不得意なことを話しはじめました。

「細かい作業が好きで、パズルに没頭すると集中しすぎちゃう」という人もいれば。

「料理が大好きで、仕事でも家でも食にまつわることを考える時間が楽しいです。でも細かいことは苦手!」という人もいて。

「ご飯をつくる時間が苦痛。そのかわり、洗濯はわりと得意なほうかな?」と発表する人も。

私はといえば、「文章を書くのが好きだし、まあまあ得意(いちおう仕事をしているから)」と言い、そのかわり「育児全般が苦手です・・・」と正直に答えました(笑)保育士さん、絶句。


親御さんたちの話を聞いていて、思いました。私たち親もそれぞれだから、子どもたちもそれぞれなのは、当たり前だよなと。

長男はとても恥ずかしがり屋な面があります。
保育園の集合写真ではいつも後ろのほうでちょこっと写っているだけだし、運動会では親を見つけると、固まって動けなくなってしまうほど・・・。

私はそんな様子を見ていると、かえって恥ずかしい気持ちになったり、「なんであの元気で明るい子みたいに、楽しそうにできないんだろう?」と思ってしまったことがありました。

私自身がもともと人見知りで内気だったこともあって、クラスの人気者タイプには根っからの憧れがあるというのもあります(笑)

でも、外向的な子もいれば、内気な子もいるし。集中するタイプの子もいれば、いろいろなことに興味がある子もいて。
親の個性がバラバラなんだから、子どもに「みんなと同じ」を求めるのは間違っている。あらためてわかりました。


その懇談会で、先生は長男についてこう話してくれました。

「園にサワガニがきたんですが、みんな怖がって、誰も触れなかったんです。そうしたら、○○ちゃん(長男)が来て、ひょいと1匹つまんでくれて!みんな『すごーい』と言って、〇〇ちゃんにどこを触ればいいのか教えてもらいました。すると他の子たちも、触れるようになったんですよ」

私はこのことを先生からの連絡帳ですでに知ってはいたのですが、まさかみんなの前でお話してくれるとは思わず、なんだか嬉しい気持ちになりました。

先生は子どもに自信をつけさせてくれるいっぽう、親である私の自信もつけてくれているような気がしました。


私は文章を書いていても、ときどき思うことがあります。

「なんで私は、あの人みたいな文章が書けないんだろう?」

他の人の文章が自分の尊敬する人から褒められていると、悔しかったり。私にはそんな素敵な文章は書けないと、落ち込んでしまったり。

でも私とあの人は、もともとの性格も、得意なことも、育ってきた環境も、ぜんぜん違う。同じような文章が書けなくて当然。他の人だから書ける文章があるいっぽう、私は私にしか書けない文章があるんですよね。

自分の気持ちを伝えるのが得意な人もいれば、わかりやすい説明に長けた人もいて、グッとくる小説を書くのが得意な人、思わず笑っちゃうくらいユーモラスな文章が書ける人・・・
ひとそれぞれに人格があるように、文章はまさしく十人十色。

誰かを憧れて真似することはできても、その人の書く文章そのものは書けないし、書く必要もない。保育園の先生の話が、最近noteを書いていて思ったこととつながった気がしたんです。

noteで素敵な文章に出会うと「すごいなぁ。これは私には書けないな」と思うこともあります。でもそれはそれ。他人は他人。

私の書けることを、素直な気持ちで書けばいい。


今日は木曜日ですね。どんな1日になるのかな。
これを読んでくれた方の1日が楽しくなりますように。

小森谷 友美
noteで書ききれない話はTwitterで

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