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韓国の高級スキンケア「Whoo」が売り上げ爆増、スター製品を生み出した仕掛けとは?

こんにちはビントウ(@bing_tou)です。近年中国国産ブランドの成長が目立つ中、2020年に開催された独身の日セールイベントでは韓国ブランド「History of Whoo(ドフー,后)」が売り上げを伸ばし、コスメカテゴリランキング4位にランクイン。Tmallのコスメブランド年間売り上げでも5位に入りました。

驚くべきことに、この売り上げの大半はたった一つの商品によって生み出されています。一体なぜこのようなスター商品を生み出すことができたのか、理由を考察していきます。

韓国高級スキンケア「Whoo」中国での歩み

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出典:WhooのWeibo

「History of Whoo(后)」は韓国LG生活健康から2003年にローンチされたスキンケアコスメです。韓国宮中文化と現代文化の融合をコンセプトに、伝統的な美容法で使われてきた韓方成分を配合したスキンケア商品を展開しています。

美白やエイジングケアなど肌の悩みに応じてシリーズ展開があり、一番手頃なラインでも化粧水が400元(約6,400円)、美容液が500元(約8,000円)程度と、ハイエンドな価格帯に位置づけされます。

ブランドローンチから3年後の2006年に中国市場に進出し、中国国内の高級百貨店を中心に全国展開しています。中国で10年以上の歴史があるブランドですが、オンラインで大きな存在感も持つようになってきたのは最近のことです。

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出典:WhooのWeibo

独身の日セールイベントのTmall(天猫)コスメカテゴリー売り上げランキングでは、2018年以前はランク外でしたが、2019年はTOP10にランクインし(8位)、2020年独身の日は4位に入りました。年間でも、Tmallのコスメブランド売り上げランキングで資生堂(8位)、ラ・メール(7位)などを引き離し、41億3,700万元(約620億5,500万円)で5位に入りました。

急速に売り上げを伸ばした理由は、市場全体が盛り上がった2019年にライブコマースの波に乗り、一部の商品を集中的に紹介することでブランド売り上げのほとんどを稼ぐスター商品を生み出した背景があります。

10億元を生み出す「スター商品」誕生のワケ

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出典:薇娅のWeibo

「ライブコマース元年」と呼ばれた2019年、「Whoo」も精力的にライブコマースに乗り出しました。ブランド自体のイメージキャラクターや商品ラインナップはそのままに、薇娅(Viya)ら有名配信者を起用して商品の宣伝を行いました。

Whooの売り上げはライブコマース経由による割合が大きく、2020年独身の日では約3週間におよぶセールイベント期間中、130人の配信者による300回以上の放送を実施し、ライブ配信経由で全体売り上げの80%以上を生み出しています。

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チョンギダンギフトセット(天气丹花献礼盒)出典:Tmall

中でも注力商品は「チョンギダンギフトセット(天气丹花献礼盒)」1,590元(約25,000円)で、昨年の独身の日におけるブランド全体売り上げの95%(※)を占めました(※2020年10月29日時点)。

この商品はWhooの中でもプレミアムラインに位置付けられており、本体容量を超えるほどの非売品オマケをつけることにより商品の価格はそのままに強烈な実質割引と話題づくりに成功しました。

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出典:小紅書

さらに独身の日プレセール開始日の10月20日には、薇娅のライブ配信で更に200元引きに。この放送の告知情報はSNSでも拡散され、10月20日を待ち構えるコメントも見受けられました。

オマケによる実質割引とライブ配信による特定商品への集中的な告知で、プレセール開始2分で1億元(約15億円)に、開始11分で5億1100万元(約76億6,500万円)に到達。中国の総合情報メディア界面新聞によると「チョンギダンギフトセット(天气丹花献礼盒)」は11月11日時点で累計単品売上10億元(約150億円)を突破し、他カテゴリ全体の中でも最高記録のスター商品となりました。

これ以外にも、百度検索指数によると「Whoo」の商品検索を行うボリュームゾーンはかつての韓国ブームを経験している30代に集中しており、20代が集中する中国国産ブランドのメインターゲット層とは外れた層をうまく獲得できたといえます。

リスクを高める2つの依存

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商品ラインナップ、出典:Whoo天猫公式店舗

ライブ配信や宣伝戦略は参考にすべき部分も多いものの、売り上げがイベント期間に依存している懸念も。2020年11月の1ヶ月間、「Whoo」の総売上高のうち65%は11月11日に集中しており、1か月の集計で比べると「エスティ ローダー」とは3倍以上の差をつけられています。

また、各ブランドが新商品を発表、既存商品の刷新を行う中、「Whoo」は新商品を出していません。各国のトップブランドが中国市場で競争を強める中、新商品の投入は必須になっています。そのため、ひとつのスター商品に売り上げを依存している状況のリスクは否定できません。「Whoo」の次なる一手に注目が集まりそうです。

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China Cosmetic Lab powered by JBA
一般社団法人日本美粧協会 | Japan Beauty Association

Top image:Whooブランド公式ポスター

1人民元=15円で計算

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