見出し画像

管理者の持つべき技術(9)

前回の記事で「戦略」「戦術」「作戦」「兵站」について
概略を書きましたので、今回は利益の数値化する計画の
企業目的の「戦略」、長期目標計画とか、年度目標計画について
記事にしたいと思います。

長期目標計画はおそらく部長以上でないと関係することは
少ないかもしれません。
なぜなら、長期目標計画には融資が関係するからです。
そして企業の損益計算書や貸借対照表やキャッシュフローなどを
知らないといけないので、一般的に部長以上が対象になると思います。

ここでは課長以上の人のための記事なので、
年度目標計画について記事にしてみたいと思います。
年度目標計画は大目的でもあり、一般的に多く大目的されるのが
年間売上や年間粗利になり、この計画を達成するために必要な
小目的、数値化された「作戦」計画を立てる必要があります。
多くの企業がよく使うのが左に数値化された「作戦」を書き、
12分割した枠内に、開始月、終了月に〇を書いたり、
矢印で結んだりします。
ただこれだと時間管理だけになりますので、
別に進捗管理、またはタスク管理をする必要があります。
A3の大きな用紙を使用したり、PCのソフトで管理する場合、
各枠の中に進捗状況を記入したりする場合もあり、
その場合は進捗管理、またはタスク管理が必要ない場合もあります。

「作戦」は
営業ならば新規顧客が何件による売上と受注増で売上金額×××万円、
製造では、不具合率××PPM削減と歩留まり率××%で売上金額×××万円、
研究開発では、新規特許××件と新規開発××件で売上金額×××万円、
購買部では、購買価格××万円削減で売上金額×××万円、
総務部では、残業時間××万円削減で売上金額×××万円などの
具体的な数値が作戦計画になると思います。
課長以上になると、年間計画に携わるようになりますので、
部下の行動や前年度の作戦の達成状態を鑑みて、
本年度の作戦計画を立てる必要があります。
企業によっては、上記の作戦を個人に割り振り、
その割り振られた個人が計画を立てることもあります。
その場合、課長がそれらを統合して取りまとめると思います。

たとえば営業課長ならば、自分の部下の前年度の売上や利益率や
新規獲得件数とその売上を把握しているはずなので、
どの部下にどれだけの金額を割り振るのか、考えなくてはいけません。
その時に前年度の実績の内容をきちんと把握してください。
売上金額が前年度の5%だからと言って、
安易に各人に5%振り分けるのではなく、
A と言う部下は新規開拓に向いているなら、新規開拓で 5%以上になるには
幾ら以上の受注で、何件あれば、売上金額が 5%以上になるのか、
A から聞き取りと、訪問先を良く打ち合わせをしてください。
その時に事前課題シートなどを使用すると良いです。

また、必要ならば、一緒に訪問し、
顧客のどのクラスの人にあたりを付けるのか、
各顧客ごとの詳細な情報を、顧客カードなどに記録し、
別の部下が訪問するときのデータにします。

同様に、新規開拓に向かない Bと言う部下には、
Aと同じように、顧客情報を聞き取り、顧客情報から顧客の担当者の
ランクアップを目指し、受注を 5% 以上の売上金額になるためには
どの顧客のどの担当者を攻略すれば良いのか、具体的に対策を練ります。
まぁ、事前課題シートなどは、問題点を洗い出しやすくするので、
管理者は自分や企業に合った事前課題シートや顧客カードなどを作り
上司と情報を共有するようにするのが良いと思います。
この様な事前課題シートが作れる技術が管理者には必要です。

管理者に注意してほしいのは二つあります。
一つは、年度管理計画の数値を途中で達成した場合、
再度、計画の数値をあげた、改定・年度管理計画を作成して
上司の承認を得ることです。
もう一つは、半年ぐらい過ぎた段階で、年度管理計画が
達成できないことが分かった場合、
方法や手法、アプローチなどに問題があるので、
精神論や叱咤激励ではなく、具体的な方法などを見直してください。
その場合、自分以上の上司や時には専務や社長の手を借りると言う
方法もあることを忘れないでください。
それでも、計画が達成できない場合は、上司と相談の上、
計画の数値を下げることも、検討してください。

最後に、もう一度、
管理者は精神論や叱咤激励で部下を指導するのではなく、
具体的な方法やノウハウで部下を指導してください。

それが管理者に必要な技術になります。

Previous:管理者の持つべき技術(8)   
Next:新人教育をする管理者へ サラリーマンの心得 その一

関連記事:
タスク管理(3)あるいは「流氓の小さな夢」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?