夏ヤスミン2020『幕末』 感想

劇団そとばこまちプロデュース
一ヶ月限定劇団 夏ヤスミンWS公演『幕末』を観に行ってきました。

観劇の目的は 林咲紀さん が出演していた為。

劇団そとばこまちさんが開催している夏休み期間1ヶ月限定のワークショップ公演ということで、
稽古期間が短い上、初の時代劇公演ということで咲紀ちゃんがどんな演技をしてくれるのか、とても楽しみにしておりました。
ちなみに著者自身、咲紀ちゃんの演技を観るのも初めてです。


まずは舞台『幕末』のあらすじをご紹介

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エンターテインメント時代劇『幕末』
~あらすじ~

幕末、日本は大きく変わろうとしていた。
いや、ペリー来航以来日本は変わらずにはいられなかった…
不平等条約、夷狄を追い払えずいた弱腰の幕府、帝を中心に新しい政府を作り夷狄を追い払おうとする勤王派、幕府を立て直し体制を維持しようとする佐幕派、この2つの勢力の争いは日本中を巻き込み(真っ二つにし)時代の大きな畝りとなっていた…。
そんな中に新撰組の沖田総司や坂本龍馬もいた…
ある偶然が2人を繋ぎ心を通わせる、だがある時知ることとなる、2人は「敵」なのだと…
斬る事が出来ずに悩む沖田、それでも日本を思い変えようと走り続ける龍馬
その日、沖田は肚をきめ愛刀「菊一文字」を手に龍馬の元へと向かう…
はたして沖田は龍馬を斬るのか…否か。


そとばこまち公式サイト 引用
http://sotobakomachi.com/stage/2020/09/3831

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十三Black Boxxにて9月26、27日の2日間で4公演+追加2公演の舞台でした。

著者が観劇したのは
・初日(9/26) Aグループ2公演 Bグループ1公演
・千秋楽(9/27) Bグループ 2公演 の全5公演

各グループ2公演ずつしか観れないのか…と少々物足りなさを感じていたので
正直追加公演は色んな意味でありがたかったです。
ありがとうございます。

著者が観ることのできた公演がA、A、B、B、Bの順番的だったので
どうしてもBグループの方が記憶に残っているため感想はBグループメインで書かせてもらおうかなと思います。
咲紀ちゃん目当てで観に行ってますし。


ということで前置きが長くなってしまいましたが、印象に残った配役の演者さんごとに感想を書いていこうかなと。

まずは坂本龍馬役の翔之介さん
坂本龍馬としてとてもしっくりくる演技だなっと感じました。
龍馬おなじみの「~じゃ」「~っちゃ」などのセリフでもハッキリと聞き取りやすかったです。
シングルキャストですし、5回同じ演技を見ることになるわけですが、何度見ても坂本龍馬。
この舞台の龍馬役が翔之介さんで良かったーとすら思えました。


龍馬の話をしたので龍馬との掛け合いが印象深かった望月亀弥太役の勝沼奈菜さん
とても愛らしい笑顔が印象的でした。
龍馬の人相書きを取り出すときの龍馬との掛け合いに毎公演ほっこり…
A、B両チーム共に亀弥太役の方の演技はほっこりしましたが、特に勝沼さんの演技はほっこりでした。


続きまして、本作のメインどころの一人 新選組 一番隊組長 沖田総司役の猿田睦さん
素直に感想を書くとするなら顔が好きです(笑) 可愛かったです。
さらに率直に感想を書くと、初日の演技とても硬かったなといった印象でした。
ハッキリとしたAグループの沖田役の演技に対して、迫力に劣る部分がどうしても否めなかったです。
でもそんな弱々しい雰囲気が沖田の病弱そうなイメージにとても合っているなと。
2日目の1公演目、演技自体がすごくブレていた印象を受けました。
迷いながら演技してるような、なんだか焦っているような…そんな印象。
でもその迷ってる感じが今回の作品の中盤~終盤にかけての沖田の苦悩とマッチしてて、それが強く印象に残っています。
そしてBグループ最終公演、1公演目に見えていた焦りや迷いが消えていて、3公演中で一番いい演技でした!

沖田の殺陣の中で、頻繁に聞こえる「キンッ!キンッ!キンッ!」と響く三連の剣戟音。
とても心地よく、天然理心流を若くして極めた沖田の無明剣(三段突き)を再現したものなんだろうなと
そこにも演出家さんのこだわりを感じました。

沖田と言えば、加代が逝くシーン。ここの演出でちょっと分かんない部分がありまして。
加代の「もう殺さなくてもいいよ」のセリフ、大切な場面で重要なこのセリフの真意があまり伝わってこなかった
加代の前では絶対に新選組の羽織を羽織らず、沖田総司ではなく徹底して宗次郎として接していた沖田を人斬りの苦悩から解放するためのこのセリフ…だと思う。
印象付けるためにあえて沖田の羽織りを脱ぐシーンを入れたりしたんだろうなとも思うんですが、
その演出をこのシーンにつなげていく為の演技が難しそうだな…との印象を受けました。
そもそも加代のために、沖田は何を斬っていたのか。母親殺したの夜盗だよね?あれ尊王攘夷運動とか関係あるんかな…
そこら辺が伝わってこなかった感じはありました。著者の学がないだけかもしれない。


続いて、そんな沖田を常に心配し見守ってくれていた、新選組副長 土方歳三役 内山諒哉さん
演技と声がとても好きでした。
殺陣やオープニングでの決めポーズなんかを見ているとまるで仮面ライダーでも見るかのような気分になる。
仮面ライダーで表すなら仮面ライダーゲイツって感じの演技でラスト付近の土方さんの登場シーンに毎公演にワクワクしてました。
毎公演、一番楽しみにしてたの土方さんの「できるならな。」のセリフかもしれない。


そして、そんな土方さんと斬り結んでいた 見廻組 佐々木只三郎役 小野俊介さん
Aグループの佐々木もとても良かったし印象深かったんですが、それを忘れさせるくらい
小野さんの佐々木が狂ってて好きでした。
表情も常に作ってらして、すごいなーと。あんなに目の焦点外してて酔わないのかなって心配になるくらい。
あえて声をこもらせてる感じがあってセリフは8割聞き取れなかったですが、セリフいらないくらいに表情だけでそのシーンが理解できるくらいの迫力ある演技でした。


そしてそして、そんな佐々木に斬られた花魁 夕霧太夫役 くらげぽしゅさん!間違えました、林咲紀さん!
初日の公演はやっぱり表情硬いなーと思いつつ、ふとした時の表情が花魁じゃなく咲紀ちゃんそのままになってたり…
所作や、龍馬との距離感の取り方、セリフ運びなんかはとても色っぽくて花魁って感じ!よかった。
あとは単純に林の声好きなので、花魁口調でちょっと声が出しづらそうで、そこがもったいなかったかな。
色っぽく、それいても観客全員に聞こえる声量でってなかなか難しいだろうなと。
その分、不敵な笑い声のシーンはめっちゃくちゃいい声だったし、めちゃくちゃ声も通ってた。
ちゃんと一番後ろの席までセリフはばっちり聞こえてました。
2日目の公演ではきちんと表情まで意識してるのが見てとれたし、きちんと改善もされてたと思う。
元々が仕草も表情の出し方も独特な子だから、100%林咲紀が消えてたかというとそうでもないんだけど、常に意識して癖がでないように頑張ってたんだろうなって思うと可愛い()
千秋楽では龍馬の膝に手を添えてみたり、セリフの言い方を毎公演変えてみたり
龍馬引っ張るシーンでは邪魔にならない立ち位置に最初から立つようにしてたりと最後まで役について考えて演技してたのが見えて
その姿勢が見れただけでも観に来た価値あったし、本人も1ヶ月頑張った甲斐があっただろうな。と思いました。

夕霧太夫と言えば
夕霧太夫どこかで聞いたことあるなと思っていたけど以前、太夫について調べたときに名前出てきたのと
人形浄瑠璃の『夕霧阿波鳴渡』か、と後日思い出した。
大坂 新町の太夫ということで時間ができたときに、記念碑やお墓なんかに行ってみようかなと思います。
好きな演者さんが演じた役柄は、観客側にとっても興味深く、大切な存在になることが多いです。


ってなもんやで、長々と余談を書きましたがそろそろ閑話休題といたしまして、
舞台として一番の見どころはやっぱりオープニングにこの幕末の全てが集約されてるってところなんじゃないかなと思います。
アニメのオープニングを見てるかのような演出は何度見ても飽きないし、見るたびに新しい発見がある。
なにより決め顔してる林が可愛い。そんな舞台でございました。


取り留めのない文書ではございますが、最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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