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歯科事変 飴、食べなきゃよかった


 ご存知の方はご存知だと思うが、私の交換留学を語るには、歯医者の話は避けては通れない。


 数年前の話なので、私の記憶が書き換えられている可能性は多いにあるだろうが、覚えている範囲で書いてみる。何故こんな仰々しい書き方をして、かつ、もっともらしいタイトルをつけているかというと、当時の私には、それはもう、とても大変な出来事だったからである。

 最初に痛みを感じたのは、8月のpressesional course(英語のスコアが足りなかったので1ヶ月早く行って論文の書き方とかの講座を受けた)が終わって新学期が始まろうとした頃。9月の新歓みたいなのやっている時だった。

 そこで飴を配っていた。なんのサークルのか忘れたけどなんかいかにも海外!って感じの色の、七五三の時にもらうような長い飴をもらった(違うかも、でも赤かピンクかった気がする)。
 それを食べた。すごい歯にくっついた。食べた後はもちろん寝る前に歯を磨いた。しかし、それからだった。右上の奥歯に違和感を感じた始めたのは。

 まず、夜中にずきずきとし出した。寝る前に歯を磨いたのになんかまだ違和感あるなぁと思って2回磨いてみたこともある。なんとかごまかして眠りにつく。朝起きて、痛くなくなっててほっとする。が、ふとすると、またずきずきした。最初は歯茎が痛いとかそんなとこだろうと思っていたが、一週間たってもまだ治らない。


 原因の一つなのかはわからないが、私はその時やっすい歯ブラシを使っていた。そのやっすい歯ブラシはとてもブラシのところがでかい歯ブラシだった。私はそれを見た時、海外は歯ブラシも海外サイズなんだなと思った。それだともしかしたら細かい部分は磨けてなかったかもしれず、そのせいで悪くなかったかもしれなかった。

 そんな歯ブラシを使っているうちに、とうとう痛いのが我慢できなくなって歯医者に行こうと考えた。

 海外の歯医者。日本以外の歯医者。

 怖すぎる。海外で病院行ったことないし、まず症状伝えるのも無理だし、そもそも聞いてもわからん。誰かイギリス人の友達か、または英語ができる友達についてきてもらうのも考えたが、申し訳なさが勝ってしまい、誰にも頼まなかった。どこかないか調べたところ、日本人がやっている歯医者に辿り着いた。

 場所はロンドン。さすがにヨーク(ロンドンから電車で2時間半くらい北のところ)では日本人がやっているところはなかった。歯医者のためにロンドン日帰り。阿呆すぎる。
 しかし、痛みに耐えかねた私は、行く決断をした。その日行きたかった、バレーボールサークルの体験会を蹴ってでも(結局サークルは入らなかった)。


 調べていて知ったのだが、イギリスには歯医者の保険適用がないらしい。つまり、全額負担。なにそれ。知らない。ところが、同じ大学の人によると、事前にあった全体の説明会で説明してたらしい。だから来る前に歯医者は行っておいた方がいいよ、と。全然聞いていなかった。そんなこと言ってた?もっと強調して言ってよ(責任転嫁)。


 私はそれまでしばらく虫歯もなかったので調子に乗っていた。歯医者は半年に一回の検診くらいしか行ってなかった。それに、こんな大事な話を全然聞いていなかった。その結果がこれだ。


 もし今後イギリスに留学やワーホリ等で行かれる方がいたら、これだけは言っておきたい。


 渡航前に歯医者はぜひ行ってください。

 とにもかくにも、こうして新学期早々、1人決意し、ロンドンの歯医者へ旅立ったのだった。

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