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【授業紹介】専門事例「地球市民と開発」~噛めば噛むほど味の出る授業~

こんにちは、地球市民学科4年生のS.N.です。

私にとって鈴木直喜教授は大きな大きな壁であった。環境学や開発学、政治においても一を聞けば十も百も返ってくるその姿は爆撃機のようでもあった。授業内で配られる5本ほどの論文で試射されているとはいえ、毎回私たち生徒はその威力に面食らった。私はそれが面白くて仕方なく、彼の授業は毎回入念に調べて望んだ。しかし、足りない。初めはネット上で記事を呼んだり環境省や国連のホームページで情報を集めていたが、どうにも教授の話についていけない。それが悔しくて悔しくて、私は図書室に通うようになった。清泉女子大学附属図書館の図書館司書さんの力も借りて、2階から地下2階まで何度も往復した。環境について、経済について、開発について…。

「地球市民と開発」というひとつの授業を履修しているはずが、いつの間にか知識体系が構築されていった。高校時代の、「知識を詰め込まなきゃいけない」という苦しい気持ちが完全に消えた訳では無い。ただ、私にとってこの直喜教授の授業はゲームのようだった。「今日の授業ではこの本の内容が扱われるかな?次は資本論も読破しておこう。次までに非国家アクターについて頭に叩き込んでおこう。」と、いつもワクワクしていた。面白いことに、直喜教授は授業内で扱う数多の論文なかでほんの少し出てくる主義についての研究者の著作まで網羅されていた。授業内で、「〇〇という人の〜〜という本があるのですが…」と引用をしても、その本はここが良くてここが問題であると直ぐに説明して下さる。それが面白くて悔しくて楽しかった。もっと学んで、この巨匠に近付きたいと思えた。

私は彼の授業を2年間に渡って履修した。1年目はもちろん頭がパンクするかと思う程に苦しかった。しかし2年目は確固たる自己成長があった。噛めば噛むほど味の出る授業とはまさにこの事である。ぜひ、これを読んでいるアナタにもこの学術的な興奮を知って欲しいと思う。
(地球市民学科 4年 S.N.)