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「サガンばかりが10冊以上」日記2024/04/15-2024/04/21


○2024/4/15(月)

『けむたい姉とずるい妹 / ばったん著』5巻

読了。

最終巻。
見捨てられた子ども3人が自分の道を見つける話だった。
「過去からかけられた呪い=母親から引き継いだ家」を手放すことにより、
抽象のレベルでも姉妹は自由になり、本当の意味での家族になる。
ばったん先生の作品はどれも好きだけど、これがマイベストかも。


○2024/4/16(火)

「記号」と「意味するところ」の対応を記したカードが、英単語とを暗記する時のリングのやつみたいので綴じられて落ちていた。
(例えば「(アルファベット2文字)」は「宅配BOX不可」みたいな…)
おそらく某配達員の間で使用されているものであろう。
落とし主にわかりやすいところに付箋を貼って、置いておいた。

英単語の暗記に使うカードのイメージ図です。
こういうイメージ

『ハンチバック / 市川沙央著』

読了。

WordPressや、Moodle、Twitter、LINEやAmazonが特に注釈なしで、ちゃんと出てくる手触りがよいと思った。情報環境が与えてくれる自由もある。

また文章のテンポがよくて、冒頭のゲスい記事さえもするする読めた。
最後のシーンにとある飛躍があるのだが、そこがよかった。

間違いなくこの物語は障害者当事者による、障害者が主役の物語であるが、最後のシーンがあることにより開けた物語にもなっていると感じた。

文藝春秋インタビューで触れられている、市川氏が公募に応募していた「寝たきり皇女の安楽椅子探偵もの」読んでみたい。


2024/4/17(水)
「ゼッテリア」で昼食を食べる。
「ゼッテリア」とは「ロッテリア」が「ゼンショーグループ」の傘下に入ったことにより生まれた新業態だ。

だが、個人的には根本的な味の方向性は、「ロッテリア」と大きく変わっていないように思う。
美味しいんだけど、「ロッテリア」も「ゼッテリア」もいつも何かしっくりこない。
「しっくりこなさ」を確認したくなって定期的に食べたくなる。


夕食になめこ汁を作る。
ところで家人は、頑なにみそ汁のアクを取らない。
「意味ないと思う」とのこと。

あるだろ、意味は。いや……でも、そんな……


夜、昨日の配達員用カードの落とし物が回収されており、安心した。


○2024/4/18(木)
羽虫のキャラクター、ハム太郎。


昨日みた夢。
自分は大学4年生で、単位が足りなくて卒業できない夢。

4年生は全員備長炭のブローチを付けており、
そこにライトを当てると、卒業できる人間はブローチに火が灯る。

自分のブローチだけ、何回ライトを当てても火が灯らない。
「おかしいな、絶対単位は足りているのに」

自分は大学の教務事務室に向かうが、そこでは暴動が起きており、映画『ジョーカー』の最後の方みたいになっている。

授業で記憶を食べさせて育てたイルカたちも、水槽からいなくなっている。

家人も夢を見たそうで、知らんバーに行って、
「ピーマテルバ」(実在しない)というお酒を注文したらしい。
ちなみに家人は下戸である。


「好きな学術論文の表現発表ドラゴン」が「好きな学術論文の表現」を発表します。

本文の後半に出てくる「本研究の限界と課題」の部分

「未来」に託してる感じがいいと思う。
『ひぐらしのなく頃に』の「それだけが私の望みです」みたいで。


『研究の育て方:ゴールとプロセスの「見える化」 / 近藤克則』

読了。

どちらかというと医療系の分野に特化した内容の本。
もちろんあらゆる分野に共通する要素もあるのだけども、手に取る人は、一応、その点を理解した上で読むといいと思う。

研究のプロセスを教えてくれる本だが、「10年後、論文をまとめて本にできるような研究テーマを見つける」というような、人生の軸みたいな話が割とあって、そこがよかった。

大規模実験のデザイン、聞いただけでめんどくせ~やってる研究者には尊敬しかない。

診療と研究の両立のための、タイムマネジメントについてにまで触れていて、この辺りは分野を選ばず、普遍的かつ実用的だと思った。


『ダンジョン飯』11話、12話

視聴。

原作で読んだ印象より、圧倒的に暗い死の匂いがする演出になっていたと思う。
腹を裂き、臓腑を開き、骨を集める。
洞穴状のドラゴンの穴は象徴的に黄泉の国なんだろうな、と思った。

あと、センシがガスが充満しているところで、火を起こす迂闊なところを見せるの、原作で読んだ時に違和感を感じたけど、実践・経験主義のセンシはドラゴンと対峙したことは無く、それで知らなかったという意図的なものなのかもしれないとアニメを見て気づいた。


○2024/4/19(金)

『ういちの島 / 都留泰作著』1巻

読了。

『ナチュン』『ムシヌユン』の都留泰作先生の新作。
面白過ぎる。

都留先生の作品はアカデミアが主人公であることが多いのだけど、今回も大学の技官(技術職員)の女性である。

『尾張大学附属海洋実験所』がある架空の島が舞台なのだが、なんとなく
『名古屋大学理学研究科臨海研究所』がモデルな気がする。

作者自身が文化人類学研究者なので、アカデミアの描写の解像度が高い。
あとおじさんやおばあさんの人物描写が抜群にうまい。

今回の作品も過去作と同様に人類が大変なことになる。
ある日、突然、人類の半分が「ういち」という人喰いモンスターになってしまう。「ういち」は見た目上、普通の人間と区別がつかず、夜になるとモンスター化する。

この「ういち」のビジュアルが強烈で、人間の正中線を縦に鯵の開きのように、開き、それを背中側から見たようなビジュアルをしている。

「ういち」になった人間も普段は正常な自我を持った人間である。主人公も「ういち」になってしまい、迫害され、追われることとなる。

この作家の作品の主人公には、いつもどこか離人感がある。今回の主人公は、同性愛者という設定もあり、(それでいて男性にモテるが、そのせいでひたすらに悲劇に巻き込まれる)

さらにアカデミアで、「ういち」でもある、作家のテーマがマジョリティから外れてしまった孤独と、それと相対する人間存在そのものなのではないか。

とにかくおすすめです。売れて欲しい。


家人とガストに行った。
家人は「二郎風のうどん」ということでSNSで話題になった「ガス郎 魚介つけ汁うどん」を注文、自分は「富士山大盛りミートソース」を注文。
どちらもおいしかった。

家人曰く、
「同じぐらいの値段で二郎系ラーメンを食べられることを思うと、難しい面もあるが、例えば子連れの親で、二郎が食べたい人というのニーズを満たすためにある商品だと思うので、それでいいと思う」
とのこと。

確かにそうかもしれない。包括的な社会というのは、子どもを連れて、かつ二郎が食べられるファミレスが存在する社会だろう。


『Wacky Burgers』

をプレイ。

世界観のかわいいバーガー屋のゲーム。

色んな客の要求の通りに、バーガーを提供するのだが、
中には要求がわからない客もいる、その場合は顔の上半分だけを見て、
どんなバーガーを提供するかを判断しなくてはならない。

そこで「犬みたいな頭をしたヒト」みたいな罠キャラクターがいるので注意が必要だ。
自分は「猫みたいな耳をした犬でかつ強盗なのでナイフを持っているキャラ」と「ツインテールの女の子みたいな頭のコアラ」が好きだ。

このゲームに最近アプデが入ったのだが、

「蜂の速度を少し遅くしました」

とのこと。
そうか。蜂がちょっと遅くなったか。


○2024/4/20(土)
アンティークマーケットに行った。
アンティークマーケットに来るのも、4回目ぐらいか。
だんだん見て回るコツがわかってきた。

かわいいけど、買った後持て余すもの。
買った後に、ジワジワ良くなってくるもの。
家に帰ったら魔法が解けてしまうタイプのもの。

かわいいぬいぐるみ2体と、アメリカのマックのおまけの小型ぬいぐるみ2体を入手した。


『ガールズ・バンド・クライ』2話

視聴。
面白い面白い。
仁菜が10代らしい身勝手さ、未熟さを見せてて、魅力的だ。10代なんてこれぐらいだよな。

でも、以下のポイントが気になった、

  • 生活に慣れているはずの桃香が、むき出しの包丁をビニール袋に入れていて、それを人のすぐ近くで取り出すところ

  • 仁菜が鍋を前にして「このまま食べるんですか?」と聞いて、お嬢様なところを見せた後に、「野菜はくたくたが好き」と言うのが不自然に感じた。後のすばるとの対比になってる意図はわかるけど、お嬢様な十代はむしろ、自分の好みもよくわかっていないんじゃないだろうか。

まあでもそんなのは細かい話であって全体としてはすごく好きで、もう一度色々とやってみようという元気をもらえた! 続きも見るぞ。


『戸谷洋志×品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)「“本当に生まれてこなければよかった?”─親ガチャと反出生主義をめぐって」『親ガチャの哲学』刊行記念』のアーカイブ

視聴。

恐山氏と戸谷先生でスタンスが異なり、対話によって深掘りされていくのがよかった。お二人とも達者だ。

恐山氏の哲学は「真理、真実が何よりも優先され、その追求のためにも社会の問題を解決すべき」というもので。その思想の性質上、過激なところにしばしば踏み込む。

戸谷先生は真理や哲学が社会からケアの力を奪う可能性を自身の今後のテーマとしており、美しいほどに恐山氏の思想と対照的だ。

「その答えがわかったら…教えますね」という最後のやりとりがかっこよかった。


○2024/4/21(日)

サガンの文庫本が10冊以上、ビニールひもで結われている画像です
サガン

古紙回収の日なので早起きしてダンボールを出す。月一のチャンスを逃すわけにはいかない。

ごみの置き場に行くと、結われた文庫本が20冊ほど捨てられている。
「サガン」「芥川」「太宰」「夢野」…著名な作家ばかりだ。
家に戻り、ベッドで寝ぼけている家人(文学好き)に、

「拾わなくていいか?」
と聞くと、

「気になるけど、起きられない。身繕いをして拾いに行く気力がない」
とのこと。

なぜこんなやつと結婚したのか。
後ろ髪が引かれたが、拾ったりせず、そのまま置いておいた。

夜分に家人から非難される
「あなたは自分の選択を人に押しつけている」
と、

つまりは「本をもったいなくて拾いたいのは自分自身だが、それを他人に委ねている」と、そういう面も確かにあるので、申し訳なかった。

ただ自分がもったいない、と思ってるのはマテリアルより、元の持ち主の物語なんだよな。年季の入った文庫本だったが、サガンが10冊ぐらいあった。なぜ、サガンをそんなに読み、手放したのか。


『ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ / 荒木飛呂彦著』3巻

読了。

おもしろい。ジョジョランズは味方サイドの能力がみんな地味なのがいい。
あとは能力がビジュアル先行で、もはや前衛の領域に突入している。

この作品がコンビニで売られてる豊かさに感謝だ。


『メイドインアビス』のアニメOP『Deep in abyss』

を久しぶりに聴く。
サビの、


今答えが
見つかるなら
全部失くしてもいい


の部分でいつも涙ぐんでしまう。
自分は犠牲と理想の追求に感情の脆弱性がある。

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