詩『ゆでたまご』



無垢なキミをボクのこの手でそっと包むよ。
朝のユウウツな気分を晴らす、昨夜の冒険。
寝不足でもほら、身体は弾んだままでしょう?

そのまま家を飛び出して。
かけ足で駅へと向かって。
風を切って走って走る。
それでもいつもの電車には間に合わなくて。
まあ、仕方がないさ。
たまにたまにのスペシャル・デイ。

「わたし、意外とこっちの方が好きかも?」
「意外」なんて失礼じゃないか!
キミはホントにもう…
それでもやっぱり嬉しいと思ってしまっている。
まだまだ世の中を知らないでいたいと思ったよ。
キミが好きだと言うからさ。

ねぇ、知ってた?
このまま大人になるとね、人間の頭はカチコチに固まってしまうんだよ。
だから今は、トロトロに溶けてるくらいがちょうどいいんだ。
ワクワクした気持ちを裏切るドキドキ感を抱えながら。
期待はずれを望むボクもキミと一緒だね。
いつも同じはつまらないから。
たまにたまにのドシャブリ・デイ。

ボク、知らなかった。
キミの本当の色を。
実は全部計算だったの?
いとしい、いとしいキミのオレンジ。






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