好きなことに全力を注げるのは1番の才能かもしれない
日本にはたくさんの素晴らしい漫画がある。
その中でも、芸術に焦点を当て
読めば読むほどやる気がでてくるのは『ブルーピリオド』だろう。
『ブルーピリオド』とは、東京藝術大学出身の山口つばさが描く、
美大を目指す高校生たちのリアルな青春ストーリーだ。
主人公の矢口 八虎(やぐち やとら)は
成績優秀スクールカースト上位のやんちゃな高校2年生。
ある日、W杯の大会を渋谷で見ているとき
日本チームが勝つのだが、その時の気持ちに違和感を抱く。
この感動は自分たちの感動ではない。
サッカー選手が感動するのは分かるが、
はたから見ている自分たちは一体何に感動しているのだろう。と
その日の朝焼けでみた渋谷の青空は自分の想像より青かった。
こうして物語は進んで行く。
物語の内容は省くが、
あるきっかけで進路に悩んでいた主人公は芸大を目指すことになる。
そこから絵を描き始めるのだがその時の心情が自分と重なることがある。
自分はふとイラストレーションをしたいと思い
勢いでAdobeを購入したのだが絵の知識なんてない。
始めは楽しく友達の似顔絵などを描いていたのだが、
しばらく描いていると描く理由がなくなる。
自分は何を思って、何を表現したいのだろう。
その答えがわからないまま描いている自分の絵は薄い。
ここで主人公の矢口八虎と重なるのだ。
周りを見れば絵が上手い人、才能がある人がたくさんいる。
これは相対的価値観だが、挫折をしそうになるのだ。
物語の中で主人公は絵を描き、その絵を見てもらい
理解してもらえることで初めて心から会話ができたと書かれている。
この感覚はすごく羨ましい。
自分が描いている絵はなんとなく良い。
なんとなく綺麗。そういうのを描いてきた。
だから刺さらない。
本気で何かを表現したい。訴えたい。
この気持ちがなかったのだ。
主人公や周りの友達、美術学校で出会う友達は皆悩み
何かを見つけるために葛藤しているのだ。
果たして自分にそこまでの力はあるのか、
絵を続けるのか悩んだ時は正直辛い。
ここでも主人公と重なるのだ。
絵を始める理由なんて正直なんでもいいが、自分には『軸』がない。
『軸』がないからぶれるのだ。
なんとなく良い絵なんて誰でも描ける。
その先にたどり着くには、何か『軸』を見つけたい。
主人公と周りの友達の絵に対する思いと
自分との葛藤が非常におもしろい。
これは絵だけでなく、表現活動をするアーティストにも言えるだろう。
自分は絵、音楽で何を伝えたいのかを今一度振り返ろうと思う。
今後の展開も楽しみだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?