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通訳、翻訳、通訳ガイドの違いって?(1)

外国語を話せる=通訳、翻訳、通訳ガイド ができると思ったら違います。
全てできるのが望ましいけれど、それぞれ異なる技能だし、使う脳が違う。仕事では私自信がする場合もありますが、プロジェクトによっては通訳の方にお願いしたりすることもあります。

翻訳はバッチリなんだけど、通訳はイマイチ…

という方もいます。
普段なかなか話す機会がないと、そうなってしまうのかも。

いろんなお仕事の中で見つけた「違い」をお伝えします。
今日は「通訳編」

通訳

ざっくり言うと、人と人の間に入って会話をスムーズにするもの。
場面に応じた表現を使う必要があります。外国語ジョークや日本人おっさんのダジャレジョークは非常に訳しづらい(笑)

若いゲスト(外国人)が「これ めっちゃ美味しい」と言ったのを、ベテラン通訳の方が「おいしゅうございます」
と言った時、
う〜ん、間違いではない。が、しかし・・・

そんなことある?とお思いでしょうが、実際あるんです。

対談の場合、出席者全員のプロフィールを事前に入手し、対談にいたる経緯も頭に叩き込む必要があります。

通訳している間は、調べる時間がゼロ。事前準備をどれだけしたか。にかかります。

通訳会社には通訳者のランクがあって、会社によりますが 例えば
A 会議通訳(同時通訳) 国際会議やニュースの同時通訳
B 商談、ビジネス通訳(逐次通訳)
C 一般(歓談やアテンドなど)
D 通訳ガイド

もちろんAランクはお値段もAランクです。
業務内容に応じて、依頼します。
(通訳ガイドが一番低いランクなのは、また別の記事で書きます。)
実際一緒にお仕事をすると、ほぼB寄りのCの通訳さんもいました。結構幅が広いなと感じます。

通訳する相手が初対面という場合が多いと思いますが、話し方に慣れるまでが結構厳しい。方言ももちろんあるけれど、こもった感じで話す人、早口の人、語尾が曖昧な人、いろいろです。これが外国語となると、慣れるまでちょっと時間が必要です。
通訳する前に2〜3分でもいいので、本人の声(話し方)を聞いておきたい、と通訳者としては思うところ。

なので、私が通訳を依頼する場合は、対談(本番)の少し前に紹介も兼ねて、少し会話してもらいます。
目的は、プロジェクトがスムーズにいくためのもので、通訳のレベルをチェックする場ではないからです。

食事付の会談について
通訳は食事中の会話を全て訳すので、会話がはずむほど、食べる余裕はありません。素敵な料理なのに・・・

初めてお食事付きに会談をした時のこと。
お料理のフルコースが私の席には並んでしまいました。
「通訳さんも食べてね」と言ってくださるのですが、そういう和やかな雰囲気だと会話も弾んでるので、絶対食べれない。
お店の方に、下げていただけばよかったのだけど、あまりにも残すともったいない(申し訳ない)と思ってしまったんですね。

お国柄なのか、通訳にも食事を用意すべき、いやいらぬ、とかあるようです。
用意する必要がある場合、可能であれば、軽食や品数を減らしていただくとかができたらよいですね。

お食事付で良いことは、「この食材は何?」とか、ゲストが「これ苦手」とかこっそり教えてくれること。次の食事の時に配慮できたりするので。

食事会談の雰囲気がまだ固いときは、これは本来通訳の仕事ではないのですが、話題提供をできると素敵。
ゲストと軽く話して、その話題を日本人とゲストの会話につなげるというものです。
この際注意するのは、通訳&ゲストの会話が盛り上がってしまうこと。
「今 何の話?訳してよ」となってしまう。

通 どこ出身ですか?
ゲ ○○です
通 あ、行ったことあります〜
ゲ 本当?嬉しいわぁ。
通 〇〇教会、素敵ですよね〜
・・・

なんてたわいもない会話でも、日本人側には「今 何が起きてる?」と思われてしまう。気をつけましょう。

でも、歓談通訳って、通訳初心者にはとっても良い経験になります。
とくに立食パーティーなんかはおすすめです(コロナ禍でなかなか機会はありませんが)

通訳をしてみたいな♪
と思っている方の参考になれば幸いです。

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