電話で名前を名乗るのが怖い

またまた電話ネタです。

これは公務員固有ネタだと思うのですが、掛かってきた電話に対して自分の名前を名乗るかどうかという点で揉めることがあるのではないでしょうか。

お客様 「もしもし」
公務員①「はい、○○市役所□□課の△△と申します。」
公務員②「はい、○○市役所□□課です」
公務員③「○○市役所です」
公務員④「ナンスかぁーっ!」

筆者観察による

体感ですが、①が2~3割、②が5~6割、③が1~2割という感じでした。④はウンパルンパですね、たまにいます。論外。

ビジネスマナー本とかサイトなどを見てみると、電話を受けたときに名乗るのはマナーですと書いてあるものもあれば、最後に「私○○が承りました」と言うので最初は名乗らなくていいとかまちまちですね。あくまで「マナー」の範疇なので、必ずこうでなければならないということは決められないでしょう。

筆者観察の範囲ですが、公務員が受けた電話に対して名乗らないということは民間に比して多いと思います。
これは私がいた職場だけ、というわけでなくよその市町村だったり県庁だったりに電話したときの名乗り具合も同じ感じでした。
何故公務員は問い合わせ電話に対して名乗らないのか?理由を考えてみました。

①名前を覚えられたくない(対クレーマー)

これは容易に想像できますね。クレーマーに名前を覚えられると、その後もずっと絡まれる可能性が上がります。何かあると、人事や総務に「○○の対応が悪い」と名指しのクレームが入ります。なので名前はできる限り相手に覚えられたくないものですが、理由としての正当性はあまりないでしょう。
私も人事宛に対して態度が悪いといった名指しクレームが来たことがありますが、こちらに非が無いことを説明できれば、人事はマイナス評価せず流してくれるのでそこまで気にすることは無いです。
いずれ書こうと思っていますが、役所へのクレームってまあまあ多いのでね。

②名前を覚えられたくない(対マンション勧誘)

マンション投資のお誘いです。
公務員は給与が安定している、ローンが通りやすい、安定志向が強い等の理由から投資の勧誘を受ける機会が多いと思いますが、マンション経営の話がトレンドになっていた時期がありました。
今でこそマンション勧誘の電話は減ったと思いますが、2000年代後半(おそらくリーマンショック以降)から2010年代前半に公務員宛のマンション勧誘の電話が大量に来ていた時代がありました。
私は直撃世代ではありませんが、勧誘電話を受けたことがあります。
彼らは、「課長いますか」「班長いますか」と役職宛にまず電話してきて、そこに繋がらないことがわかると「お電話に出ている○○さんは~」と電話口の職員をターゲットに勧誘しだします。
そしてこの勧誘はマジでしつこい
相手が公務員であるので、少しでも態度が悪い点を見つければクレームをチラつかせ、興味が無いと言っても逆ギレしながら話を長時間引き延ばし、判断力が弱った段階で直接会って投資を進めるアポを取ってきます。アポさえ取れれば契約できる可能性大なので、そこを許すとダメなんですよね。
そして電話の回数も滅茶苦茶多い。直撃世代でない私でも1日に10件近く受けたことがあります。聞いた話だと最盛期は1時間に10件とかそういうレベルだったそうです。あまりの被害に、県下中の役所に対応マニュアルみたいなものが配られるほどでした(内容としては「暴対法とか宅建業法とかでその勧誘ダメって言われてるよね?電話切るよ」というもの)
で、名前を名乗らないことと何が関係あるのか、ということですが、最初に名前を名乗ってしまうと、そこの部署に○○がいるという情報が各所で共有されてしまうため、次の勧誘電話は○○決め打ちで掛かってくる危険性が高くなります。ですから電話口で名乗らない、というのは対策の一つとして理にはかなっているんですよね。悩ましい。
※関連して役所の席次表とかは以前は窓口で自由配布しているところが多かったと思いますが、今はそういうところは少ないですね。

③その他

あとは部署名が長いからとか、慣れとか、そんなところでしょうかね。
でも変なプライドが成長して名乗らなくなる、という人はいます。内線電話ですら名乗らない人間は正直意味が分からん。カッコつけてるのかな。

源氏名方式がいいんじゃないかな

コンビニとかでも、「名札からSNS探すのがいるので偽名OK」みたいなケースがありますよね。どうしても名乗りたくないならこういう制度をオッケーにする、ていうのはどうですかね。ダメですね。公安じゃあるまいし。


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