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松本安彦先生の東洋医学講座/陰陽論(いんようろん)

※本投稿はオンラインサロン<ChildcareHOUSE>内の掲載記事です。

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~チャイルドケア講座監修 松本安彦先生~
自然療法治療室 松本鍼灸接骨院院長(東京・大田区)
柔道整復師/鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/介護支援専門員

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<陰陽論(いんようろん)>

易経(えききょう)という言葉を聞いたことがありますか?易経は儒教の経典の一つですが、易経は易占いの原典ですから、占いなど好きな方は聞いたことがあるでしょう。でも易は単なる占いではなく学問でもあるのです。

この易経の中に【易(えき)に太極(たいきょく)あり。これ両儀(りょうぎ)を生ず。両儀は四象(ししょう)を生じ、四象は八卦(はっけ)を生ず。】という一文があります。

この意味は、太極から生じる両儀が陰陽のことで、太極(宇宙万物の元始)から陰陽が生じるということです。これは「陰陽論」のことで、陰陽論の源は易経(えききょう)から起こっているとされています。

陰陽論は、東洋医学の重要な概念で自然界のあらゆるもの(森羅万象)は「陰」と「陽」という対立する二つの属性に分類でき、二面性があるという考え方です。陰陽論は、遥か昔の古代中国の人々が日陰や日向、男と女、雌と雄の違いなどのように、相反するもの、対立するものを認識し観察する中で形成されてきました。

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画像は太極図と言い、陰陽を二分する図であり、陰と陽の変化(移り変わり)も表します。白い部分が陽、黒い部分が陰を表します。白と黒の勾玉(まがたま)を組み合わせたような図で、中国では魚の形に見立てて「陰陽魚」と呼んでいます。名称は知らなくてもこの図はいろいろなところで見かけていると思います。ちなみに韓国の国旗は太極旗と呼ばれ国旗の中央には「太極」が存在します。

太極図の陰陽部分の面積は等しくなっていて、バランスがとれていることを表します。太極図は静止図として、あるいは動きのある図として見ることができます。動きのある図として見る場合、左から右へ時計回りに移り変わります。

白(陽)が最大(極まる)になると黒(陰)が芽生えてきて黒(陰)が最大(極まる)になると白(陽)が芽生えてきて終わることなく循環し、これを「陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず」といいます。

これは、「冬至」の現象もまさにこの状態になります。冬至は、太陽の力が一番弱まった時で、日の当たる時間が短く、陰が極まる時ですが、冬至を境に、今度は、日が延び始めます。陰が極まり陽に転じていく状態です。この図は、非常に意味深く、そしてバランスの良い図であることがわかると思います。

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