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松本安彦先生の東洋医学講座/精と気・血・水

※本投稿はオンラインサロン<ChildcareHOUSE>内の掲載記事です。

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~チャイルドケア講座監修 松本安彦先生~
自然療法治療室 松本鍼灸接骨院院長(東京・大田区)
柔道整復師/鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/介護支援専門員

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今回は、精と気・血・水(津液)という生理物質についてお話します。最近では、テレビ番組で鍼灸や漢方など東洋医学の特集も多くなりましたね。東洋医学の用語はなかなか馴染めないかもしれませんが用語の意味が分かると身体の見方も少し変わるかもしれません。

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「気血水」について

東洋医学では気・血・水が過不足なく、また滞りなく体内を循環することによって生命活動を維持することができると考えます。
どの要素に異常があっても他の要素に影響します。
*「血」は一般的には「ち」と読みますが、東洋医学では「けつ」と読みます。また水(すい)は津液(しんえき)とも言います。

東洋医学の入門書やテレビの特集などでも「気・血・水」について、「健康であるためには気血水が大切」と説明されていることが多いのですが、この三要素を考える際にもう一つ重要なものがあります。それが「精(せい)」になります。
精と気・血・水(津液)は、東洋医学においては人体を構成し、生理活動に関わる基本物質になります。

「精」について
精という字を見て、何を思い浮かべますか?
精のつく食べ物、精をつける、精力など、何となく活力の源みたいなことが浮かびませんか?東洋医学の「精(せい)」は、先天(せんてん)の精と後天(こうてん)の精が合わさった生理物質になり、気・血・水の源になります。先天の精は両親から受け継いだ物質、後天の精は脾胃(消化器系統)の働きによって飲食物「水穀(すいこく)」から後天的に得られた物質になります。これを踏まえたうえで気・血・水について理解していきましょう。

「気(き)」について
気の思想は、東洋医学の源になります。気は人体を構成し、生命活動を維持する極めて細かい物質のことを言い、また機能を表す言葉でもあります。
気についてはよくわからなくても、気の付く言葉「元気、やる気、本気、陽気、陰気、人気、病気、天気」など、たくさん使われています。「病は気から」などとも言われますね。東洋医学では、この気を「人体の構成と生命活動の最も基本となるもの」を指します。目には見えませんが重要な概念です。生命エネルギーともいわれるものです。

中国の「荘子」には、「気が集まればすなわち生、気が散ずればすなわち死」という表現があります。東洋医学では気をとても大事なものとしています。気の生成について、まず気はどのように作られているかというと、気をその源によって分類すると先天の気と後天の気に分けられます。先天の気は、両親から受け継いだ先天の精から化生(変化)したものになります。
後天の気は、後天の精から化生(変化)した気になります。また後天の気は生まれてから得ることのできる気のことを指し、天の気と地の気に分けられます。天の気は、呼吸によって得られる気、地の気は飲食物によって得られる気ということになります。

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用語の使い分けがややこしく戸惑うかもしれませんが、先天の精から先天の気が、後天の精から後天の気が生成されるということになります。精が燃料で、気は燃料から生まれるエネルギーとして例えると分かりやすいかもしれません。先天の気は、もって生まれた気であり総量は決まっていて消耗するだけになります。

生まれながらにして先天の気が不足していると成長や発育が遅くなり虚弱になりやすくなります。しかし後天の気で補うことが可能です。
後天の気は、呼吸と飲食物により生成されるので、気を充実させようと思えば当然この二つが特に重要になります。

「気」の機能別による四つの分類

「気」は機能別に四つに分けられます。
原気(元気)~人体の最も根本的な気で生命活動の原動力となります。先天の気ともいわれます。

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