保育士の需要と供給
私が以前保育士として働いていた地域の、保育士の現状について。
その地域は、待機児童も多かったことから、一時期は保育園が乱立するような状態になっていた。
潜在保育士はそれなりにいるわけだし、自身の子育てがひと段落して、正社員(保育士)としてまた働こうとしている人も、知り合いに何人かいた。
話を聞くと、
「オープニングだったら、また正規で保育士やってみようかな」
なんて声も多く、新しく保育園ができると、それなりに保育士が集まる状況だったように思う。
乱立した保育園の中には、保育業界に新規参入した企業型もあれば、社会福祉法人もあり、人気の保育園の第二、第三保育園もあった。
かつて私も、オープニングを経験したことがある。メリットは、人間関係が1から作れることと、出来たてだから園舎がきれいなこと。(これは結構私にとっては重要だったw)
その分、デメリットもある。
オープニングには、転職組が多い。保育士たちが、みんながみんな「前の保育園ではこうでしたよ」と言い合い、スムーズにまとまれば万々歳なのだが、そううまくはいかない。最初からまとまるなんてことは、まぁ難しい。
日々の保育の仕方や行事の進め方など、一から決めていくわけだが、最終決定で保育士たちの意見が一致しなければ、オープニング直後からいざこざ、の可能性もある。
実際こういった状況もあり、合わなければすぐに辞めていく保育士もいる。
と、前置きが長くなったが。
保育士の需要と供給の話。
・新しい保育園ができ、保育士が働き始める。
・上記の理由などがあり、数ヶ月〜数年で辞める。
・他の保育園を探す。
・別の保育園では、同じような理由で辞める保育士がいるから、新たに雇いたい。
さて、需要と供給がきれいに一致しているので、保育士不足には陥らないのである。
簡単に表すと、こんな感じ。
(つたない絵ですみません…)
A保育園のa保育士は、B保育園へ転職。
B保育園のb保育士は、C保育園へ転職。
C保育園のc保育士は、A保育園へ転職。
それぞれ保育士は、自分のやりたい保育を求めたり、働きやすさを求めたりして、別の保育園に転職していく。
一見いいようにも思えるのだが、やはりこれでは、それぞれの園の保育の質を高めていくことは難しいだろう。
毎年保育士が辞めては新しい保育士が入ってくる。業務を教えたり、研修したりする時間を要する。子どもたちとの関係も、また一から。
預ける保護者側から見ても、毎年毎年保育士が何人も変われば、不安や不信感を感じるだろう。
でも保護者側も、特に待機児童が多い地域では、そう簡単に行きたい保育園も選べない。希望の園に入れる可能性が少ない。
本当にこの園に子どもを預けていて大丈夫かと心配になる保護者も出てくるだろう。
保育士が辞めないで済むように、不満を感じている部分に出来るだけ寄り添い、改善を図れば(大きな改善は難しくとも理解を示してくれるだけでも全然違う!)、採用コストもその分の時間もエネルギーもかからないはず。
なのに、毎年のように保育士のぐるぐる交換会が行われている(笑)
私自身の経験を含め、なかなかの割合でこのような現状がある。
働き方は、個人で選ぶ時代に突入している。
保育士も、
・合わないと思った保育園でも、逆に言えば周りが辞めていくから、そのうち居心地が良くなるかもしれない。
・自分がここの保育を変えて行こう!
・ここでなら頑張ろうと思える園を探し、転職をする。
など、自分で選んでいい自由がある。
でも、これからの社会を生きる子どもたちを育てる場として、保育園は絶対的に質を高めていく必要がある。
そのためには、根本的な改革が必要だろうか。
保育士たちの思いだけでは、難しいだろうか。
私も日頃から、考えている。自分にできることはないかと、何か現場からできることはないかと。
もし、この記事で、何か感じることがあったら、ぜひコメントください!
なんだか、最後は全然まとまらなかった(笑)
あしからず…。
未来を担う子どもたちの健やかな成長を願って…。大切に使わせていただくことを約束します!