発達障がい

子供の発達障害の診断は、現状把握のために。

子供の発達に関わってきた中で、ここ数年の間に発達障害がブームのように言われるようになりました。
しかし、本来は発達障害じゃないのに目立った症状が合致しているがために、発達障害にされている子が増えています。
ワーキングメモリーの数値が低いだけで、疑われたりもします。
今現在の検査基準で当てはまれば診断した人には罪はないですし、発達障害に分類されてしまうのが現実です。

肌の色で人間を分けていた時代はそれが基準でした。しかし、それも今は変わり肌の色が違っても心は同じ人間で、肌の色で中身が変わるものではないことは分かっています。

そして、発達障害という表面に出ている症状から障害の有無を決めた分類に合わせて支援すれば良いのでしょうか。
それは、人種差別の時代で考えてみると、肌の色を白くしてあげるのが支援だと言っていることと同じです。

発達障害ありきの支援ではなく、1人1人の子供の根本的な心理特性を把握して、心理的な視点での支援が必要です。
肌の色が違っても、発達障害の診断があっても、同じ人であり発達心理には固有の特徴があって誰も同じではありません。
発達診断は、あくまで現状把握をするために使うのが良く、定型とのギャップを知り、支援の目標を具体化するために利用できると良いです。
今必要な支援というのは、発達に連動して今現在の心理がどういった傾向になっていて、その時の特徴に合わせた心理に働きかけるアプローチが必要でです。

たとえ、先天的にどうしようもない発達障害があったとしても、この視点で支援していけば、どの子供も成長させられますし、今の診断という制度がある中で、発達障害だとかそうでないとか、それによって子供が傷ついて二次障害を引き起こすことも防げます。

そして、支援の手法ありきの支援になっているのもよく見られます。
これをすれば良くなるという思い込みは、結局、子供を見る目を眩ませてしまいやすく、それは、子供が支援に合わせていくといった変な事になります。
そうではなく、支援が固有の特徴を持つ子供に合わせていけば、支援の手法だけが独り歩きもしないし、本当の意味で有意義な支援が生まれます。

例えば、自閉症スペクトラムの子に、絵カードやスケジュール等の視覚的支援が有効だとよく言われます。
しかし、視覚的支援が成功する人と失敗する人がいます。この失敗は、その子の特徴を把握していれば失敗を防げますし、特徴を把握していれば成功するために、どういった視覚的支援が良いのかの、具体的な方向性も決めていけます。
子供の特徴で考慮すべき大切な事の1つが、後題で書く「学習タイプ」です。視覚型の学習が強い人には、視覚的支援がやりやすいですが、体感型の学習や聴覚型の学習が強い子には向きません。
それでも、視覚的支援をするなら聴覚型や体感型それぞれの学習タイプの特徴を活かした方法はあります。
支援ありきで子供の内なることに目を瞑り、特徴に合わない方法で支援をするのは、やらせようとしている支援者の都合であって、子供の都合は無視されてしまいます。
犯罪心理学の世界に、プロファイリングがあるように、児童発達心理であっても同じように、きちんとしたプロファイリングをして、その固有の特徴を前提に発達支援をしていくことが必要です。

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