一人旅のすすめ

今年度中に三連休とってねー。

突然上司が言う。

時は2月の終わり頃、もうとれと言われても1ヶ月と少ししか猶予はない。

いつもこの上司が言ってくるのは突然でギリギリである。きっと年度末になり、総務に提出する年休取得率のデータか何かが芳しくなかったのであろう。

まぁ押し売りではあるが休みが貰えるのはそう滅多に無いチャンスだ。ありがたく了承しておこう。

が、しかしどうした事かやる事がない。

今更誰かを誘って旅行をするにも時間がない。

『若いうちしか出来ないことたくさんやっておけよー。』

こんな一番最初に思い付くような大人達(30歳〜)の浅い人生の教えが頭をよぎる。

そうだ!一人旅だ!

浅いアドバイスにはひねりの無い答えで応戦だ。

そうと決まれば行先だ。こちとら気分は旅ブロガー。下手な観光地等の駆逐された所には目を向けない。同時に小心者でもある。海外には目を向けない。

インターネッツの海を彷徨う事数分。深い理由もないが伊豆諸島のどれかに決まった。

その数秒後。行き先は『式根島』に決まった。

自分の生まれる遠い遠い昔1980年代。

若者達の聖地もとい性地と言われた『新島』、

通称『ナンパ島』。

夏になると上京して間もない二十歳前後の子達がその新島でウッフンな宴を開催しまくっていたらしい。

そんな島のお隣に位置するのが今回の目的地の、式根島である。

もちろん周りで行って来たなんて話は聞かない。

しかし前述した通り気分は旅ブロガーである。

何しにそんな所行くの?と問われていればドヤ顔で『自分探し』と答えていたであろう。

そのくらいには『人と違うことやってる』感に自惚れていた。ありがとう、誰も問わないでくれて。

何はともあれ急な三連休の予定が決まった。



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