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住宅ローンは組む前によく考えよう


結論から言おう。
日本の個人住宅は、これから余り続け、価値は下がり続ける。
だからこそ、住宅に資産価値を期待するのはやめ、資産投資ではなく、消耗品への消費(浪費)と考えてもいい金額にとどめよう。

住宅ローンに全ての人生をかけるのをやめたほうがいい。

さて、これを具体的に説明してみたい。

前回ご紹介した、
「家計簿を貸借対照表に落としてみる」
という方法を試してみたい。

さっそく、平均的な日本人の住宅ローンパターンをイメージして、
マイホーム 購入時の状況を貸借対照表に落としてみた。


      左    I      右
資産         I 負債と資本 
(どのような運用か?)I(どのように調達したか?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
流動資産 貯金    I 負債 住宅ローン(フラット35)
   0万円     I  3500万円
           I
固定資産       I 資本もともとあった貯金
マイホーム 購入時  I  300万円
 3800万円    I 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3800万円     I 3800万円

↑上の計算方法だと、
確かに、左のマイホームは資産になっていてバランスしている。
ハウスメーカーの営業さんが言うとおり、マイホームは資産になるという感じだ。
これから、家賃も払わなくていいし、右側の借金は価値あるものになっている。

しかし、これは本当の価値を表しているだろうか?
少し意地悪に、10年後の時価計算で、辛めに試算判断をしてみよう。

↓下記が10年後の資産を辛めに時価評価した場合の数字だ。


      左    I      右
資産         I 負債と資本 
(どのような運用か?)I(どのように調達したか?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
流動資産 貯金    I 負債 住宅ローン(フラット35)
   0万円     I  残り25年の実際の返済残額
           I   3500万円
           I
固定資産       I 
マイホーム      I 
 築10年時点の時価 I
  1900万円   I 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1900万円     I 3500万円


つまり、新築時から10年間で1600万円 の資産を失ったということになる。
10年間は、家賃相当ぐらいの返済をしてきただろうから、10年間で得したことは、「持ち家」という価値ぐらいだ。

10年間で、1600万円 資産を失った。
つまり1年で160万円資産を失ったことになる。

いや、一概に損とはいえないかもしれない。
年間160万円消費する(試算形成するのではなく楽しむ)という考え方もあるから。

でもつまり、マイホームは資産ではなく、消費(≒浪費?)なのだ。
年間160万円=月々約15万円の楽しみと考えれなくもない。

しかし、共働きで40万円程度の収入に、15万円の消費を「持ち家」という価値に費やすのはバランスが悪いと私は感じる。

このように、長期の高額ローンのマイホームで、資産を形成をするのは難しい。
高度成長期は、築10年の家の価値があまり落ちていなかったのでいい仕組みだった。
たとえ途中で手放す場合でも借家で収益が得られたのでよかった。
また、世帯数が住居数より多く、家が足りていなかったので、家に価値があった。


しかし、
デフレの時代、
空き家の時代に、
家に価値は残らないのだ。


一方、ハウスメーカーの営業さんによっては、
その人に適した家ではなく、
年収の5倍の借金の額の家を勧めているという話もある。
つまり、家族構成とか施主のライフスタイルに合わせた家の提案でなく、最大の借金可能額の家を勧めてくるということだ。


日本の義務教育では、ファイナンシャルプランニングをあまり教えてくれない。
自分で勉強しないと、誰も教えてくれない。
マイホームの時に相談する、ハウスメーカーの営業の方や、銀行員の方などは、ローンが高額であればあるほど利益が出る人たちなのだ。

借金は決して一概に悪いものではないが、

普通のサラリーマンにとって、
100万円の借金は1年間の不自由だ。
2000万円のローンは、25年の不自由だ。

よく考えて、住宅ローンを組んでみて欲しい。
もし、自分でよく分からなければ、10万円払って、あなたの利益だけを考えてくれるアドバイザーにお願いするのもとてもいい選択だ。


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