アンダーグラウンド・デーモン

 苦痛と怒りが俺を苛む。
 忌々しい炎が体を駆け巡り、俺を駆り立てる。

 ニューヨーク地下にある石造りの遺跡。
 俺は、炎の剣に導かれるまま、奥へと向かう。

 暗がりから、恐怖と憎悪に満ちた、いくつもの唸りが聞こえる。
 グール。あるいは屍肉喰らい。
 デーモンに使える惨めな奴隷たち。

 「罪深きもの」の存在を感じ、剣が、その炎を強める。
 俺を苛む苦痛も増し、魂を焼き焦がす。

 俺は、苦悶と憎悪の叫びを上げる。

 それに答えるように、闇の中からグールの大群が一斉に俺に飛びかかった。
 殺戮の衝動に駆られ、俺もまたグールへと向かっていく。

 俺の振るった炎の剣が、グールの首を跳ね飛ばした。
 そのままグールの群れを薙ぎ払っていく。
 グールの汚らしい爪が次々と俺に食い込む。
 俺は頭に血が上り、痛みを感じない。

 一匹のグールは頭蓋を真っ二つに断ち割られた。
 両腕を切断されたグールは絶望の声を上げる。

 俺は、感情の赴くまま、剣をふるい続けた。
 辺り一面に、グールの破片が散らばっていく。

 気が付くと、俺に群がるグールは一匹もいなかった。
 ほとんどのグールは死に、残りは傷ついた体を引きずりながら、逃げ散っていく。

 俺は一息つく間もなく、再びデーモンへとつながる道を辿っていく。 

 デーモン。
 災厄の悪魔。この世で最も不浄で、罪深き存在。
 ニューヨークの地下深くに潜む邪悪。

 俺は、そいつの元へと行く。
 炎の剣に導かれるままに。
 全ての決着をつけるため。

 剣の炎が激しく脈打つ。
 憎むべき邪悪を切り刻む時が待ち遠しいとでもいうように。

 俺が、この剣を手にした時から、全てが始まった。
 一か月前の、あの埠頭から。

 そして、キャメルズは死に、アマンダは狂った。
 パンサー・ウォーラスは子犬のように怯えながら、余生を刑務所で過ごすだろう。

 この呪われた聖なる剣と、デーモンのせいで。

 ケリをつけなければならない。

【続く】

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