【第126回】内閣府の「事業継続ガイドライン」改定
質問 内閣府の事業継続ガイドラインが改訂されたんですか。
概要
①事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)とは
②内閣府の事業継続ガイドライン
③2023年3月24日に最新の改定版公表
解説
①事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)とは
地区防災計画の隣接分野に、企業の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の分野があります。
このBCPとは、災害時に企業の重要業務が中断しないように、また、事業活動が中断した場合でも目標復旧時間内に重要な機能を再開させるための計画です。これは、企業の業務が中断することに伴って、顧客が競合する他社に流れ、企業のマーケットシェアが低下したり、企業の社会的な評価が低下したりすること等から企業を守るための経営戦略に当たります。
BCPの内容は、企業におけるバックアップシステムの整備、バックアップオフィスの確保、安否確認の迅速化、要員の確保、生産設備の代替等の対策があげられます。
②内閣府の事業継続ガイドライン
2000年代頃から、民間と市場の力を活かした防災戦略として、BCP 策定の重要性が注目されたことを受けて、内閣府では、企業によるBCP策定を促進するため、「事業継続ガイドライン」を2005年8月に策定しました。
ガイドラインは、これまでに何回か改定されていますが、例えば、2013年8月のガイドライン改定(第三版)では、企業・組織の平常時からの事業継続マネジメント(BCM)の普及促進、東日本大震災等の災害教訓、国際動向等を反映する形で改定が行われました。
また、直近の2021年4月のガイドライン改定では、令和元年(2019年)台風第19号等の水害・土砂災害等の教訓を踏まえ、災害時の従業員等の外出抑制策等が記載されたBCPの策定が進むように改定されました。
③2023年3月24日に最新の改定版公表
そして、2023年3月24日に、ガイドラインの改定版が新たに公表されました。
これは、内閣府の「事業継続計画策定・運用促進方策に関する検討会」等での検討を踏まえ、企業を取り巻く最近の環境の変化を反映したものです。
具体的には、「安⼼安全で健康」に配慮したテレワークの導入及びオンラインを活用した意思決定を行える仕組みの整備等を明示・強調したほか、情報セキュリティー強化等についても明示・強調しました。
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