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【第180回】【モデル地区紹介⑤】長野県下伊那郡泰阜村三耕地地区


質問 長野県下伊那郡泰阜村三耕地地区の地区防災計画づくりについて教えてください。

概要

 ①23年度のモデル地区
 ②地域特性
 ③取組状況 

解説

①23年度のモデル地区

 長野県下伊那郡泰阜(やすおか)村三耕地地区は、2023年度の地区防災計画学会のモデル地区になります。
 田中隆文名古屋大学准教授及び山本賢一郎日本大学非常勤講師が担当教員です。

②地域特性

 三耕地地区は、人口196人、76世帯で、地区全体が7班に分かれています。
 当該地区の被災経験は、昭和36年災、昭和58災、令和2年地すべり災害、道路損壊等がありますが、地区防災計画づくりに当たっての想定災害は、土砂災害になっています。
 泰阜村では、「防災マップづくり」の取組を行っており、それを経て、当該地区では、地区防災計画づくりに着手しました。
 泰阜村役場、長野県飯田建設事務所、NPO法人長野県砂防ボランティア協会、NPO法人日本防災士会長野県支部等とも連携して計画づくりが進められていましたが、コロナ禍において、防災訓練や地域のお祭り等の催事は中止されていました。

③取組状況

 当該地区では、小中学生の視点も入れた住民主体の避難を中心にした防災計画及び実行性の高い計画をつくることを目標にしていました。
 そして、当該地区の地区防災計画の原案が、2023年11月20日の住民WSで披露されました。
 その中で、取組を周辺地区に広げるとともに(約650世帯にWS開催周知)、地区特性・脆弱性の認識、既往災害の記憶、防災計画の方向性等について共有を図るとともに、避難体験を振り返る中で、「防災マップ」の実効性を確認したり、「いつどこに避難するか」の実効化を図るため、「マイ避難スイッチ」から地区防災計画へと進展させるようにしました。
 なお、村内に多数の土砂崩れが生じた2023年6月の豪雨時には、当該計画に基づき住民の主体的避難が実施されました。

文献
・西澤雅道・金思穎,2024,「地区防災計画制度施行10年を迎えて―23年度モデル地区の状況―」『地区防災計画学会シンポジウム(第10回大会)基礎資料』.
・田中隆文・山本賢一郎,2024,「長野県泰阜村三耕地地区における地区防災計画の策定」『地区防災計画学会誌』(29).

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