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元旦に、大黒様

2019年元旦。
泊まっていた友人の家で年が明け、夕方ごろ家に帰った。

母に、あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします、を言い、ダイニングで残り物のすき焼きを食べようとする、と、母に「ねえ、これ知ってる?」と言われた。
母が手に持ち、私の方に差し出しているのは、指先くらいの大きさの金色の大黒様だった。
もちろん私は「知らない」

やっぱり知らないよねぇ、と引き下がられそうになったので、私は、なにそれ、どうしたの、と言いながら、すき焼きの卵を破る。
これね、今日、お父さんが血圧計の電池を変えようとしたら、電池の入った蓋の中からでてきたんだって。まさか元々入ってるものじゃ、ないよねー、と母。
いやいや、入ってないでしょ。金色の大黒様が、元旦にひょいと出てくるなんて、どれだけ縁起がいいのよ、と驚く私。血圧計というところが謎だけど。
母も、これが出てくるなんて嫌な気はしないよねー、と小さな大黒様を摘み、見つめる。

そんなことってあるのだろうか。工場で血圧計を作るときに、誤って作業員のポケットから、お守りにしていた大黒様が落ちて混入したのだろうか。

それとも、これは何かのお告げ?これから何かいいことでも起きる予兆だったりするのかしら。

そんで、大黒様ってなんかお金持ちになれるようなイメージがあるけれど、実際はどんな神なのだろうと調べてみることにした。
すると、日本では財福の神として知られているのらしいけれど、元々インドでの姿は破壊の神で、恐ろしい存在なのらしい。
どうしよう。血圧計から出てきた大黒様は、すっごく穏やかな表情をしているけど、元々は破壊の神。怒らせないようにしないとなあ。今日から気が向いたときに手を合わせることにします。

ちなみに、母に宝くじでも当たるんじゃないの?と言ってみたところ、昨日見たけど外れたよ、とのことでした。がっくり。

今年は、もしかしたらいい年になるのかもしれないな〜と思いながら、今日も飽きずに大黒様を眺める日々です。
どっから来たのよ、あなたは。

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