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図工の平面作品を自然のモノだけで表現するマラウイの学校

「それは授業の課題?」

「いや、もうすぐ卒業なので課題はありません。教師の仕事につくまで時間があるので、自主的にやっているんです。現場で役立つスキルだと思うので。」

夕食の準備のため、薪を探して大学構内を歩いていたら、木立の中で、子供に提示する平面作品のモデルを作っている教員養成の学生に出会った。

段ボールの台紙に貼っていたのは、校舎裏の茂みで拾い集めた天然素材の枯れ草。その茎を使い、マラウイの農村で一般的な「かやぶき屋根」の住居を表現していた。

自分がこれから配属される農村の小学校をイメージしたのか、はたまた自分の故郷をイメージしたのか。1本1本、丁寧に貼りつけていた。

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この学生は市販の糊を使っていたが、小学校の表現芸術(体育、図工、音楽、技術家庭、演劇の合科)の教科書には、主食であるトウモロコシ粉のお粥から糊を作れることが載っている。

かつての日本が、米や小麦粉から糊を作っていたのと同様に、穀物のデンプンを利用したものだ。

私が子供の頃、封筒の封をするのに、ちょうど糊が切れていた時。「これをつぶしてぬって、おさえておけばくっつくんだよ」と、祖母がご飯粒を濡らして持ってきて、封をしてくれたのを覚えている。

◇ ◇ ◇

マラウイで見つけた、図工で活用できる、植物を使った平面作品は他にもあった。

●花が枯れた後の綿毛で、サルの毛をうまく表現したもの。

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●豆や米やヒエなどの穀物だけでなく、小石などもうまく使い、文字やアフリカ大陸の国々を表現したもの。

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●図工ではないが、理科でも植物のからだのつくりのポスターの代わりに、植物をそのまま張りつけたもの。

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絵の具やクレヨンや色鉛筆など、色を塗るものが簡単に手に入らないマラウイ。先生も子供たちも、あきらめないで、あるもので何とかしているところがいい。

コメと豆と雑穀でTEACHERS NEVER GIVE UP!

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