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箱根駅伝を好きになった話

私は、小学高学年頃から結婚してからも年末年始は憂鬱でした。小さいころは遊び中心のためまだ楽しかったのだと思います。
難聴者やろう者は同じコミュニケーション手段を持たない家族や親せきがほとんどかもしれません。理由は聞こえる親のもとに生まれる割合が多いからで、親の親戚は聞こえる人になってくるからです。

箱根駅伝はお正月の風物詩になっています。結婚前は会話に参加できず、会話に参加できたとしてもぎこちない場でした。駅伝を観てみんなで盛り上がることもありましたが、集まりでは共通の場を楽しめないことが多く、駅伝で盛り上がっていてもテレビに感情移入できず場を遠巻きに眺めている状態でした。
帰省は無理にしなくて良かったのかもしれないけれど、なかなか逃げられない場ですよね。

でも、今年は初めて楽しいと思えるようになりました。
私は夫の実家の近隣に住んでいます。今年は適度にバランスを取って、料理しつつ日本酒をのみつつ参加することができました。私の強迫症の治療が順調にいき心に余裕ができバランスが取れたからかもしれませんが、聴者の話に私は完璧に理解できないことを私だけでなく周囲が分かってきたからかと思います。もちろん手話でワイワイ話せる場が身近にあればと思うこともあります。でも、今のところは別の場所で作れば大丈夫。

今、ろう難聴児を育てている親御さんは、子どもは自分で居場所を作ることは難しいです。小さいころからできるだけ、会話に参加できるように考えてあげてください。

駅伝を観る時に今回はたまたま実家で4~5名でしんみりとお話しながら、すぐ話の内容を聞ける環境にいました。2度聞かないといけないわずらわしさはありますが、それでも駅伝やテレビを見ながらお話に参加できる環境は楽しかったです。

それだけ会話に参加できるだけでも嬉しいのです。当たり前に享受できている聞こえる親戚の子どもを見ていると幸せなことだと思っています。
ろう難聴がいる家族や友人はろう難聴者が一人だけでも、会話に参加できるように考えてくれると嬉しいです。
手話ができなくても、聞いたら話の内容や盛り上がっている内容を教えてあげてください。聞こえない側が話の内容を間に入って聞くのも慣れていないうちは勇気が要るものです。

例として覚えているのを2つ挙げますね。
①箱根駅伝のコースで盛り上がる
「あっ、この道は結構きついだろうなぁ、○○道路を右に曲がると駅伝コースで左に曲がると・・」
②箱根駅伝のルールで盛り上がる
・「白バイにも花形があって、トップの後ろにつけるのは花形らしいよ。」
・「監督の声かけは(テロップで監督声かけ中【イヤホンマーク】って出たため)なんて言っているの?」→『「大丈夫だ、後ろには誰もいないぞ。」と言っているよ。』→「応援があるだけで選手は支えになると思うんだよね~」

私も、テレビ観ながら情報がこんなに得られると思いませんでした。

そういったやり取りから、少しずつ関係を作っていけると思えます。そして物事への興味が湧いてくると思います。少なくとも私は駅伝に興味を持つことができました。
そんなこんなで今年もどうぞよろしくお願いします。

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