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#84 バンクショットの持論と考察⑦

前回までのバンクショット記事・・・
※考察①#74はコチラ
※考察②-前編#75はコチラ
※考察②-後編#77はコチラ
※考察③#78はコチラ
※考察④-前編#79はコチラ
※考察④-後編#80はコチラ
※考察⑤-前編#81はコチラ
※考察⑤-後編#82はコチラ
※考察⑥-#83はコチラ

★目次★

①バンクショットもクッション系、だから先球のスピードが合っていることが第一。

②先球に生じるスピン(特に横回転)の影響を考慮する必要がある。そしてスピンを活用すれば色々な狙いができる。

③バンクにもシステムがあるが、システムに乗せるためにはシステムに合った撞き方が必要。

④鋭角(クッションに対してより垂直に近い)のバンクと、鈍角(クッションに対してより平行に近い)のバンクにおける、スピンやクッション反発の影響の差とは。

⑤縦バンクは何故難しいのか?鋭角と鈍角のバンクは?それは数学的に明らかである。

⑥ショット後の手球がイメージできない・手球コントロールを伴わないバンクショットを撞くのはちょい勿体ない。

⑦手球コントロールという要素を考えると、時に直接ポケットよりバンクショットの方がイージーになる場面が存在する。


長々続きました・・・いよいよ最終回⑦です・・・

単純に入れる事だけを考えてしまえば「通常のシュート<難易度<バンクショット」と言えるパターンは多いはずだが、配置・局面によっては必ずしもその様には言えないケースもありえるのではないだろうか。

その配置に対して最善なポジショニングと手球コントロールまで考慮した時に、必要な力加減・撞点を含めたシュート全体としての難易度で比較してもなお「通常のシュート<難易度<バンクショット」であるのかどうか?

また手球のポジショニング自体の良し悪しや局面打開力という点で、バンクショット選択の方が優るケースもあるのではないか?というお話・・・


●パターン①:8番直サイドに入れたとして手球は本当に止まるのか?
8番9番の2球残り配置で、9番に厚く出せればほぼ問題無い状況。
8番やや薄いが右サイドに直接狙うこと自体は難しくない。
この8番、直サイド狙いで行きますか?

パターン①:残り⑧⑨の配置。⑧は右サイドが十分に狙える位置。⑨は右上コーナーに取りたいが・・・

この場合、冒頭で述べたように「9番に厚く」手球を止めようとするには、8番がやや薄くて止まるかどうか微妙にも見えます。また止まるにしても力加減的にもかなり抑えた弱いショットとなりそうです。
手球のコース的にも9番側に寄り過ぎるラインとなる可能性もありそう。
では引きや逆ひねりで抑えればシュート自体の難易度も格段に上がってしまいそうです。
では撞き易い加減と撞点で9番右側を抜いて回すポジションはどうでしょうか?
こちらでも十分にも見えますが、そもそも良い手球のポジション(「9番に厚く」)を望むのは少し難しそうですし距離も残しそう・・・短クッションから立たせる逆ひねりを入れたらより難易度も上がります。

もしも配置やコンディション的にこの8番が「バンクショットでのストップ」が簡単な状況だとしたら、バンクショットの方がショット全体の難易度と得られる期待値の高さとして良い選択のような気がしてきませんでしょうか?

●パターン②:7番バタバタって本当にできますか?
7番8番9番の3球残り配置で、9番によって8番が取れるポケットが限定されている状況。
7番はクッションから微妙に浮いた厚くも薄くもない球であるが右上コーナーが基本か。
この7番コーナー狙いから8番へ的確にポジションできますか?

パターン②:残り⑦⑧⑨の配置。⑧が右上は取れず左上狙い。⑦は厚くも薄くもない微妙な厚みと方向で少しやり難いイメージか・・・

この場合、7番を右上コーナーに入れた際の手球コントロールが問題ないか否かの評価が分かれ目になるかと思います。
正直なところ7番の厚みや振り方向的には、単純に手球を軽く転がしたら8番に寄る・手球は止まる、というには疑問があります。仮に何とか止まるとしても、転がるほど8番はどんどん薄い配置になっていきます。
また手球~7番、7番~ポケットも微妙に距離がありますので、弱い転がしはかなり不安定なイメージも出てきそうです。
ではしっかり撞いて手球を長ー長バタバタできるかというと、それには厚みも第一クッションに入る角度も微妙です。
では逆や押しを強く効かせたとして本当にバタバタするのか?ライン的にも加減的にも入れ的にもかなり難しそうです・・・

では、パターン①同様にこの7番がバンクショットならストップやそれに近い球になり易い位置関係であったとしたら・・・
仮にバンクショットの入れ自体の難易度が多少高かったのだとしても、手球に対するケアの問題は一気に簡単に解決しそうではないでしょうか??


●パターン③:その8番9番一体どうしますか?
7番8番9番の3球残り配置で、8番9番がサイドポケット前でトラブルとなっており現状では取ることも守ることも難しい状況。
7番は直接サイド狙いで手球コントロール含め十分なショットができる。
とりあえずこの7番は入れて8番で何かしますか?

パターン③:残り⑦⑧⑨の配置。⑧⑨がサイド角当たりでトラブル。⑦→⑧の方向へ手球を運ぶことは出来るが、このままでは⑧に対して有効な手段も無い・・・

この場面、色々な方法は考えられそうであるものの渡された方としても中々難しい局面かと思われます。
第一の方法として、7番を普通に取り8番でセーフティを決める。
この場合は、8番に対して撞ける手球のポジションがかなり限定される事と、8番がクッションタッチである場合に有効なショットがほぼ無い事を考慮した上で、手球をかなり精密にポジショニングする必要がありそうです。ただし、そこまでやったとしても8・9番に対して物凄く有効な手が打てる保証もなく・・・おそらく濁した当てから相手に手を委ねるパターンになりそうです・・・
次に7番入れから直接手球でトラブル解消ですが、先ず手球がこの8・9番に向かうラインがかなり特殊である事、且つ手球サイドスクラッチと紙一重の攻めになる事のリスクは考慮した方が良さそうです。また手球自体で難しいライン出しから当てに行く分、当たった後の残りイメージとコントロールはかなり難しそうです・・・

そこで、7番を少し広めのサイドバンクで8・9番トラブルにキスインする攻め方はどうでしょうか?
これも決して100%固い訳でもありませんが、少なくとも当たる方向的に8・9番の動きも多少予測が付き(これは手球で行った場合も同様だが、おそらく手球で行くコントロールが難しくて力加減がもっとアバウトになりそう)、手球自体は左長クッションに寄せるでも、右長クッションから少し出すだけにするでも
、ある程度次に撞く展開を自己コントロール下に置くことが可能です。
あとは良い形なら攻める、形にならなくてもセーフティする、といった所まで考慮しながら撞けそうではないでしょうか?(セーフティにしてもサイド前トラブルのままからよりはコントロールし易い位置にある可能性は高そうな感じはしませんか)

以上、今回終了まで長期且つまとまりのないシリーズ記事となってしまいましたが、読んでいただいてありがとうございました!

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