#79 バンクショットの持論と考察④(前編)
前回までのバンクショット記事・・・
※考察①#74はコチラ※
※考察②-前編#75はコチラ※
※考察②-後編#77はコチラ※
※考察③#78はコチラ※
★目次★
①バンクショットもクッション系、だから先球のスピードが合っていることが第一。
②先球に生じるスピン(特に横回転)の影響を考慮する必要がある。そしてスピンを活用すれば色々な狙いができる。
③バンクにもシステムがあるが、システムに乗せるためにはシステムに合った撞き方が必要。
④鋭角(クッションに対してより垂直に近い)のバンクと、鈍角(クッションに対してより平行に近い)のバンクにおける、スピンやクッション反発の影響の差とは。
⑤縦バンクは何故難しいのか?鋭角と鈍角のバンクは?それは数学的に明らかである。
⑥ショット後の手球がイメージできない・手球コントロールを伴わないバンクショットを撞くのはちょい勿体ない。
⑦手球コントロールという要素を考えると、時に直接ポケットよりバンクショットの方がイージーになる場面が存在する。
今回は目次の④の前編・・・
まずは「クッションの反射」についての物理的考察
上の図で説明すると
①球体が斜めに移動する力(紫線)を「反射面へ垂直に向かう成分(赤線)」と「反射面と平行に進む成分(青線)」に力の分解をする。
②「反射面へ垂直に向かう成分」は反射面から跳ね返る=「反対方向の成分」に変換される。ここでは反発係数=1(力を減衰しない)想定なので力の大きさは同じである。
③「反射面と平行に進む成分」は反射面の影響を受けない為(摩擦も跳ね返りもしない)、力も方向も変化しない。
④「②反対方向の成分」と「③反射面と平行に進む成分」の力を合成することで、跳ね返りの力と方向が導き出される。
この条件ならば、入反射角も速度も同じである。(実際のモノに例えるなら「ゲーセンのエアホッケー」の反射が一番それっぽい気がする)
逆に言えば
・反射面からの跳ね返りで垂直方向の力が減衰または増大する
・反射面と球体の接触で平行方向の力が減衰または増大する
状態となった場合に、入射角に対して反射角が「狭まったり」「広がったり」する、という事でもある。
ここで「ビリヤード」に置き換えて考えてみよう!
・「反射面からの跳ね返りで垂直方向の力を減衰する」もの・・・これが「クッションゴム」の伸縮による力の吸収や分散である。
・「反射面からの跳ね返りで垂直方向の力を増大する」もの・・・これはビリヤードには理論上「存在しない」はずである。
※一見ゴムが跳ね返す力で加速しそうなイメージもあるが、跳ね返す力=球が押し込んだ力だけによって縮んで戻る動きのみである。エネルギー保存の法則があるのだから、球以外の何らかの外力が加わらなければ加速はさせられないはずである。←例えば、球が当たる前からゴムを圧縮しておき(この圧縮維持の力が外力)、当たる瞬間に圧縮を解き放つ。とか、球に向かってクッションレールがバットの様にスイングして向かってくる、とかである)
・「反射面と球体の接触で平行方向の力が減衰する」もの・・・これは「クッションのラシャ」による平行方向への摩擦力と「(クッションに対して)逆ひねり」が合成されたもの、または「(クッションに対して)順ひねり」との相殺で摩擦が上回ったものである。
・反射面と球体の接触で平行方向の力が増大する」もの・・・これは「クッションのラシャ」による平行方向への摩擦力に対して「(クッションに対して)順ひねり」が相殺を上回ったものである。
④の考察に必要な前情報の説明をしたところで一旦終わり。後編に続きます。
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