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#75 バンクショットの持論と考察②(前編)

なんだか想像以上に書くこと多そうなので分割しました・・・の第二弾です。

※目次①の記事となる前回#74はコチラ

★目次★

①バンクショットもクッション系、だから先球のスピードが合っていることが第一。

②先球に生じるスピン(特に横回転)の影響を考慮する必要がある。そしてスピンを活用すれば色々な狙いができる。

③バンクにもシステムがあるが、システムに乗せるためにはシステムに合った撞き方が必要。

④鋭角(クッションに対してより垂直に近い)のバンクと、鈍角(クッションに対してより平行に近い)のバンクにおける、スピンやクッション反発の影響の差とは。

⑤縦バンクは何故難しいのか?鋭角と鈍角のバンクは?それは数学的に明らかである。

⑥ショット後の手球がイメージできない・手球コントロールを伴わないバンクショットを撞くのはちょい勿体ない。

⑦手球コントロールという要素を考えると、時に直接ポケットよりバンクショットの方がイージーになる場面が存在する。


今回は②の話・・・

まず始めに「空クッション」における捻りの影響を考えてみる。
これはプレーヤーであれば知識・経験的にイメージも実現も容易な話だと思うが、クッションからの動きは以下の図のようなイメージになるだろう。

図1:空クッションでの捻り量でのコース変化のイメージ

「バンクショット」を考える時、クッションに入るのが「手球→的球」に置き換わった空クッションだと見ることもできる。
だとすると、的球に何かしらの回転が生じている時、空クッションと同様にクッションからの動きに影響を及ぼす事は想像に難くない。

的球に回転を与える要素は、「手球の捻り(回転)」と「手球との衝突」によるものだと考えられており、次の図のようなイメージとなる。

図2:手球の捻り(回転)が的球へ伝わるイメージ
図3:手球の衝突による摩擦力が的球の回転へ変換されるイメージ

よって、的球の回転方向や量を考慮できればクッションからの跳ね返りコースを変える事ができるはずである。が・・・
ここで更に考えなければならないのが「クッションに入る球の持つ回転量の差」である。

キューで直接的に撞く手球は、スピードや回転を十分に与える事が可能であり、その量を細かく調整する事もできる。
よって空クッションにおいては、クッションから大きくコースを開かせたり詰めたりといった事や細かい到達点の調整といった事が可能となる。

では果たして、的球にも同様の回転を掛ける事は可能なのか?
その答えは基本的には「NO」ではないだろうか。

例えば、真っすぐではない厚みのシュートをした時・・・
的球がクルクル横回転を保持しながらポケットに向かうのを見たことがあるだろうか?
時折ゴツンとスキッドを起こした際に、走り始めに横回転というか歪んだ回転をするのを見る事はあるが、通常はほぼ進行方向の縦回転に近いものしか確認できないはずである。

他には遊び的な話かもだが「手球のMAX真横を撞いてセンターショットを入れる」なんてショットをやった経験は多くのプレーヤーはあるかと思う。
綺麗に決まると手球はピタッと止まり独楽の様にその場でクルクル回転を続けるのだが、その時に的球も同じだけクルクル回転してポケットに向かっているのだろうか?
瞬間的にポケットに入ってしまうので視認は難しいが、物理的に考えてみて欲しい。
少なくとも手球が止まったという事は前進する力は全て的球に伝わっている。が、手球がその後も長く回転し続けているという事は、回転する力(量)は全て伝わる事が無い、というか対して伝える事ができない?のではないだろうか。※この辺の現象とか高精度のスロー映像とかで見てみたいなとは思う。

この様に考えた時、バンクショットにおける的球の捻りが与える影響は空クッションの場合と比較してかなり小さく限定的なもの、と言えるのではないだろうか。
だが、「それならば意味がない」という話ではなく、僅かに与えられた変化が最終的なショット結果には十分に影響するのだから、やはりこれら要素を考慮し活用することは重要であり、狙いのレパートリーを大きく増やすものである事は間違いないのである。

図4:もしも黒線のようなバンクショットの配置だった場合に
赤線のような大きな変化を与えることは困難だとしても、青線のような小さな変化が与えられれば色々な狙いのパターンを作ることは十分に可能なはずだ。

と、前置きの話だけで長くなってしまったので、お題の答えである具体的な狙いのパターンは次の記事で書きたいと思います・・・

本当にまとまりがない話になってしまい大変申し訳ありませんっ!(気長にお付き合いください・・・)



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