おりあい
おりあいをつけようと思います。
あなたが抉った心の隙間を、身体は必死で埋めました。過食嘔吐、4、5日目で喉が焼け、はて、これはまずいと思いつきました。
あなたとお別れしてから、人と会う約束を取り付けては、くだらないことでよく笑い、痛みの風化を待ちました。私は大丈夫と何度も言い聞かせ、私は大丈夫と声に出しました。
身体が正直で助かりました。
私はこの強がりを一抜けることに決めました。
あなたが居ない人生はとても辛いです。
思い出さなくていいように、毎日泥のように眠り、動けなくなるまで胃にものを押し込みます。それが終わると途端に焦りだし、トイレに駆け込みます。誰かがあなたの代わりをかってでても、務まらないとわかっているので笑って流します。
こんなになるまで目を逸らしていては前に進めませんね。けれど、しがらみの中、色々なものを投げ打って、やっと止まったマスが「ふりだしに戻る」だなんて、あまりに虚しいじゃないですか。
私はこの虚しさを、痛みに耐えるための薬にしなければいけません。もう充分に後ろを向いて、あなたを探して泣きました。
あなたが居ない人生におりあいをつけて、
今度は一人でサイコロをふります。
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