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たゆたう季節

まだ若かった頃、恋に恋をしていた頃、素敵な誰かに選ばれて、その後の物語を私が選べると思っていた頃。

好きだとか、一緒になりたいとか、そう言う言葉を敢えて遣わないで、のらりくらりしていた時期があった。

あれってなんだったんだろう。
すごく楽しかった。
楽しかったと言うより、繊細な記憶で、まだ心に瑞々しさと脆さがあって、夏の夜の匂いで。

私は家庭環境が終わってたし、優等生をずっと演じていたし、性犯罪被害者だった。
だからなんだかすごく、そう言う時期が、逃げ場所が、救いだったのかも知れないな。

その分人を傷つけてきたから、今はね、手遅れかもだけど、優しく在りたいな。

若かった、若かったんだな。
私は歳を重ねたんだな。

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