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11.9

朝ぼんやりと、まぶたに鈍い光を感じながら、寒くてなかなか布団から出れずに、ぐずぐずとしていた。ふと、出産のときのことを思い出す。出産は「これまでの人生でいちばん」の出来事だったのだけれど、何がいちばん、かと言うと、すばらしい、とも、つらい、とも、幸せ、とも、大変、も、どの言葉もしっくりこず、しいていえばいちばん印象深い、出来事だった、となるのだと思う。

そんな「人生でいちばん」の経験も、2年も経てばおぼろげで、霞んでいくんだなあ、と思い返す。お腹は痛かったし、何より産後高血圧で意識がもうろうとしてたし、息子は2200gくらいでとても小さくて抱っこしてたら落とさないかひやひやしていたのに、そのときの気持ちを、ぼんやりとしか思い出せない。嬉しくて、さみしい。

みたいなことをぼんやり思っていたら、息子が起こしにきたので、もぞもぞと布団を抜け出した。あのころを思えば身体もすごくがっしりしたし、髪の毛も伸びに伸びて毎朝鳥の巣みたいになっている。

それでは、また。

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