すごくすごく自由、

退院してから10日くらい経ち、二週間ぶりの妊婦健診に行ってきた。タクシーで向かう予定だったけれどちっともつかまらないので、諦めてひとまず駅まで向かう。陣痛タクシー、申し込んでおかないと。

外を歩くのは二週間ぶりくらいだったので、生まれたての子鹿か?って感じでこわごわ、ゆっくり歩く。お腹がぐぐぐっと張ってくる。怖い怖い怖い。休み休み行ったらなんとか大丈夫だった。病院の最寄駅まで頑張って電車で行き、タクシーに乗る。

動くとぐぐぐっと張るので果たして大丈夫かなあ...と心配していたけれど、健診で問題なかったので薬を飲みながら、自己判断で日常生活に戻ってよいということになった。日常生活...!この言葉がかつて、こんなに甘美な響きを持ったことがあっただろうか。

付き添ってくれた夫は仕事へと旅立ったので、ひとりで会計を済ませ、薬局で薬をもらい、病院に行く日はよく訪れるレストランに向かった。カバンを持って会計をして外を歩く。なんてないことがひとりでできていることに、なんだか感動してしまった。自分の意思で身体を動かせるって、こんなに自由なんだ。

これまた久々に、外で食事をとった。いつも頼むマルゲリータを、一枚ぺろりとたいらげる。チーズがとろとろで、あつあつだけどさらっとした油っこさで、せっかくの外食だったのにあっという間に食べ終えてしまった。ひとりで外食できていることに、すごくすごく自由を感じた。

妊娠してからは、ちょこちょこ制限がかかっているからか、代わりになんてことないことにすごく幸せを感じる。人間てうまくできているなあ、としみじみ思う。

休み休み、おそるおそる駅まで歩いて電車に乗った。最寄駅に着いて、タリーズでひと休みしてから外を歩き始めるころには、身体が歩くことに慣れてきたのか、身体が少し楽になった。道ゆく他の人と同じように歩けていて(圧倒的にゆっくりだけど)、自分が一気に健康になった気がする。

とはいえ無理してまた入院、はいやなので、ちょっとずつ戻すしかないなあ、という感じ。幸い家でできる仕事と家事がたっぷりあるので、いつでも産めるようになるまであと1ヶ月、すべてをスローペースでいこうと思う。

それでは、また。

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