考えるより先に、
まだ真っ暗なうちに目が覚める。台風が近づいてきてじめじめじっとりしていたからだろうか。クーラー消して寝るんじゃなかった...と後悔しながら再び眠りにつこうとするも、喉は乾いたしトイレは行きたいし何より空腹で、あの至福の眠りは訪れてくれない。
常々思うのだけれど、眠りというのは不思議なもので、訪れてほしくないときにすごおおおく眠くなり、寝たい寝たいと思っているときには決して訪れてくれない。ほんとう天邪鬼というか、眠りとうまく付き合うのって難しい。
仕方ないので起き上がり、トイレに行き水を飲み、冷蔵庫の中になんかなかったっけ...とドアを開ける。真夜中の冷蔵庫のぼわっとしたオレンジ色の光は背徳感に包まれている。幸いなことに、ポケット部分をガサゴソしたらキットカット抹茶味が出てきた。神様...!と思いながら大げさに、でも一口一口噛み締めて食べる。砂糖ががつんと脳とお腹に行き渡る。お腹の赤ちゃんも同時にぼこぼこ、ぐるんぐるん動き始める。
2、3時間くらいしか寝てないけど仕方ない、降って湧いた読書時間だと思おう、ということで手元灯をつけ、昨日買ったアンドプレミアムを開く。テーマが「ひとり時間」なので、期せずして今ひとり時間を過ごせてる気がして嬉しくなる。とはいえ雑誌は寝っ転がりながら読むのはしんどいので、文庫本に切り替える。谷崎潤一郎の「痴人の愛」。半端じゃない脚注が付いていていちいち読むのは面倒で読んでいなかったけれど、まとめて読むと戦前の東京の感じとか風俗とか文化がわかって意外におもしろい。よくこれだけまとめたなあ...と脚注の最後に書いてある名前を見てしみじみ敬服する。
そうこうしているうちに本格的にお腹が空いてきたのと、ついにカーテンの隙間から仄暗い光が差し込むようになったので、寝るのは完全に諦めて立ち上がる。さすがに今日は昼寝なしにはやってけなさそうなので、朝ごはん食べて仕事するか...イングリッシュマフィンを解凍し、チーズを挟んでトースターであたため、目玉焼きを焼いてマヨネーズをかける。てきとうだけど好きな朝ごはん。野菜ジュースがなかったので代わりにノンカフェインのチャイティーを入れる。アンドプレミアムの続きを読む。
さて、パソコン開くか、と今これを書いてる中でなんだか眠くなってくる。パソコンひらけば眠くなるなんてなんともかな。どうでもいいことばかり書いていると意外にすらすら書ける。考えるより先に指やペンが動いているときが文章書いていて一番楽しいなあ。
それでは、また。
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