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2016年3月の記事一覧
金魚掬い 第二話(1)
夏が近づくと、滅法体力の方は衰える。その日も余りの暑さに、只々閉口していた。
菜々美は夏祭りを楽しみにしていた。「お母さん、絶対一緒に行きましょ」あんなに弾けるような笑顔を向けてくれていたのに、行けない旨を伝えるとふいにその瞳が揺らいだ。
でも、さすがだ。一旦下を向いたかと思うと、すぐに顔を上げて、こう言った。
「大丈夫、ばあばと言ってくるから」
もうあの子の真ん丸な瞳は、揺らいでいなかっ
夏が近づくと、滅法体力の方は衰える。その日も余りの暑さに、只々閉口していた。
菜々美は夏祭りを楽しみにしていた。「お母さん、絶対一緒に行きましょ」あんなに弾けるような笑顔を向けてくれていたのに、行けない旨を伝えるとふいにその瞳が揺らいだ。
でも、さすがだ。一旦下を向いたかと思うと、すぐに顔を上げて、こう言った。
「大丈夫、ばあばと言ってくるから」
もうあの子の真ん丸な瞳は、揺らいでいなかっ