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読書録: 『売れる化』

『売れる化』というタイトルの本を読んだので、簡単にですが、自分なりに得られたこと・考えたことをまとめます。

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この本ですが、1節の分量は2ページ~3ページほどと短く、コンビニ業界で成功した著者が考えていることをツラツラと書いています。表紙ではスバラシイ本に見えるのですが、正直、「そんなにか?」と思うところもあり。何か独自の視点やフレームワークが記載されているというわけではなく、基本ともいえる心構えが述べられているだけだなぁというのが正直な感想です。「売れる商品・店舗を作るためには、お客さんの立場で考えて、実行しましょう」の一文で、本書の8割は要約されるような気がします。

とは言いつつも、本書の随所で言及されている、「筆者が顧客に接してきて得た(コンビニに関する)インサイト」と、「コンビニに対する筆者の経験に基づいたコメント」は、自分のビジネスにも生かせそうだな、と思う部分もありました。いくつか引用すると、

筆者が顧客に接してきて得たインサイト

・案外お気に入りの商品というのは決まっていて、それに追加して、たまに変わったものも食べてみたいと思うもの
・人々がコンビニにに求めるのは、「何か変わった商品が出ていないかな」という期待感。
・ここでしか飲めないビール、ここでしか味わえないコーヒー…(中略)…そういったものにお客様は魅力を感じ、ひいきにしてくださる
・自分の店に来る人々はいったい何を欲しがっているのか、本当はそれが一番大切なこと
・人は「多くの選択肢から選びたい」願望を持つ一方で、その反対の「選びたくない」無意識の欲求も持つやっかいな生き物
・良質な商品を提供するのは当たり前で、そこにどれだけ「驚き」や「感動」を乗せられるかが大切
・消費者が本当に欲しいのは、単なる「魚」や「肉」ではなく、サンマやアジ、鮭、豚ひき肉や、牛ヒレ肉などの”単品”である

コンビニに対する筆者の経験に基づいたコメント

・弁当やおにぎりなどは、自ら開発しているため利益率も高く、それらフードの売り上げは、そのまま日販に直結します
・成功している店はどれも「コンセプトを明確に持っている店」
・「家庭のキッチン」として利用していただくことが、コンビニの一つの存在意義
・コンビニにとって言えば、コンセプトの一つは「時間の節約」
・スーパーには、家事という「仕事」を遂行するために行くのであり、主に「家族のため」の食材を買いに行くと答えた人が多かった。一方、コンビニへの来店理由の多くは「自分のため」
・ついで買いを楽しんでいただくのが、我々(コンビニ)が目指していることの一つ
・コンビニを利用してくださるお客様の約七割はリピーター
・店舗の「クリンリネス」と従業員の「フレンドリー」は基本中の基本
・コンビニの商圏は平均500メートル
・コンビニの面白いところは、道が一本違えば、商圏が異なる点

個人的に最も印象に残ったのは、「お客様が欲しいのは”カテゴリ”ではなく”単品”である」という箇所。webサイトとか作っていても、メーカー側の「カテゴリー」でくくってしまいがちだけれども、お客様が実際に欲しいのはもっと具体的なブランドだったり、商品だったりするんですよね。お客様が何を欲しているのかを、カテゴリではなく、商品のレベルにまで落とし込んで想像する。それくらいのリアリティあるコンセプト設計・ターゲット設定が、成功するマーケティングには必要なのかな、と思いました。

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