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社会がピーマンを食べなさいというから


「私は60才。
幼い頃、親にピーマンを食べなさい、
じゃないと立派な大人になれません。
と言われ、本当はお菓子を食べたかったけど、
我慢して、ピーマンを食べることにした。

周りの何人かの子は、
お菓子を食べていて羨ましかった。

ピーマンは苦くて嫌だったけど、親の言うことは正しいのだと信じて、ピーマンを食べ始めた。

自分と同じように、ピーマンを我慢して食べている子もたくさんいた。
みんなピーマンを食べれば、いい人生が送れると親や先生から言われていた。

そして私は頑張って、ピーマンを食べ続けた。
すると大人たちは褒めてくれた。

逆にピーマンを食べない子は大人から怒られていた。

私は心の片隅では、お菓子を食べたいなと思っていたけど、口には出さなかった。

周りのほとんどの子も、我慢してピーマンを食べていたし、それが自然なんだと思っていた。


20歳になり、大人になってからも、周りから
ピーマンを食べろと言われ続けた。
ピーマンを食べないと、
立派な大人になれない、
成功できない、
幸せにはなれないよ、というのだ。

私はずっとピーマンを食べ続けてきたし、
それに従うのは慣れていた。
本当は苦くてイヤだと思っていたけど、幸せになれるなら、しかたないやと思って、ピーマンをまた食べ続けた。

周りのほとんどの人も、
同じようにピーマンを食べていた。
だからまた、それが正しいと疑わなかった。

そうして何年も何年も
私はピーマンを食べ続けた。
そして60歳になった時に、人生を振り返ってこう思ってしまったのだ。


私の人生はずっとピーマンを食べ続けてきた。
それで得た幸せもあるかもしれない。
でも私はずっと、
ピーマンしか食べてこなかった。
私はピーマンの味しか知らない。

なんなんだ、このピーマンだらけの人生は?
この虚しさは何なんだ?

ずっと我慢してピーマンを食べ続けてきたのに、
心がポッカリと穴が空いている。

俺の人生はピーマンで終わってしまうか?…と。」

このとても短い物語は、
今の社会を表しています。

ピーマンを勉強、進学、仕事、出世、結婚などと置き換えると、分かりやすく、考え深いものになっています。

もちろんピーマンを食べ続ける人生を否定するつもりはありません。ピーマンを食べ続ける人生にも良さがあるからです。

しかし全ての人には当てはまらないと思います。私たちは少し、
自分の人生を振り返る必要が、
あるのかもしれません。
もしかしたら社会から求められていることに、
縛られすぎているのかもしれません。

この前書いた記事をもっと、簡単に例えられると思い、この物語を書いてみました。
もっと深く知りたいと思う方は下からどうぞ。





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