🇩🇰ハンドボールユースコーチトレーニング指導書翻訳記録【第一章ーイントロダクション】

はじめに

デンマークのハンドボールは、何千人もの熱心なコーチに恵まれています。中には、ハンドボールというスポーツを初めて経験する幼い選手たちを預かる人もいます。

また、リーグ戦のコーチとして、ベストシニアチームのプロ選手を担当する高名な人もいます。この2つのグループの監督業に天と地ほどの差があることは、大きな驚きではないだろう。3番目のグループは、ユースのコーチであり、彼らの仕事内容はまた全く異なるものです。

ハンドボールのコーチとして成功するための最も重要な前提条件のひとつは、その仕事が何を意味するのか、自分が果たすべきコーチングの役割は何なのかを自覚することである。

本書は、主にユースのコーチ、つまり13歳から19歳の子どもたちのコーチを対象としています。したがって、本書の目的は、ユースコーチが最善の方法でユースコーチの役割を果たすことができるようにすることです。

かつて、ハンドボールの若手選手は比較的均質な集団とみなされていました。これはもう仕方がないことです。現在、多くの若い選手（一般的には14〜15歳）が、自分の才能がどこまで通用するのかを試すために、多くの時間を費やすことを選択しています。彼らは、少しでもうまくなりたいという思いで、一生懸命にトレーニングをしています。私たちは、成果を出すための明確なモチベーションを持っているこのグループを「タレント」と呼ぶことにした。「タレント」のニーズに応えるためには、有能な「タレント・コーチ」が必要であり、彼らは具体的なコーチングの役割を担っているのです。

一方、トレーニングに時間をかけられないユース世代の選手を、私たちは古典的に「ワイドプレーヤー」と呼んできた。若者にとってこの分類に属することは聞こえが良くないので、ここでは「ユースプレーヤー」と呼ぶことにする。

彼らは通常、仲間や地域社会、あるいはクラブの良い環境のおかげで、ハンドボールを良いスポーツだと思い、プレーしているのです。このような人たちをスポーツに引き留めるのは、最近特に難しいと感じています。その理由はさまざまでしょうが、私たちクラブが、彼らを巻き込み、彼らのニーズに応えることが十分でないからかもしれません。

そのために、知識と十分な訓練を積んだ、自分が同意した具体的な指導の役割を正確に認識したユースコーチが必要なのです。

この本では、すべての少年ハンドボール指導者にとって重要だと思われる知識やツールを集め、普及させることを目指しました。本書は、ユースコーチを主な対象とする「DHFコーチ教育」の基本書である。

全国で開催される様々なコースモジュールでは、有能な講師陣が本書に含まれる知識を伝授し、さらに発展させ、コース参加者は多くのツールを実際に使用する機会を得ることができるのです。また、コースでは、他のユースコーチと知識や経験を共有し、日常生活で悩んでいる具体的な問題について話し合う機会を提供します。つまり、本はコインの片面、講座はもう片面であり、両方があって初めてその価値を最大限に発揮するのです。デンマークのユースハンドボールへの貢献を選択し、本とコースを楽しんでいただき、ありがとうございます。

ユースコーチの働き方のフレームワーク

4つの視点に基づき、ユースのハンドボール指導者が目指すべき基本的な要素について説明します。

プレイヤー視点

ユース選手の広範な集団は、「タレント」ほど目標志向、成果志向が強くないかもしれない。

とはいえ、彼らにはハンドボールをもっとうまくなりたいという思いもあるはずだ。

また、ユースの選手は、コーチやチームメイトに見られたい、認められたい、評価されたいという欲求を持っています。

彼らは、自分が役割を果たし、コミュニティの一員として受け入れられていると感じる必要があるのです。

ユース選手を引き留めるには、監督やコーチが彼らを引きつけることが必要です。

チームでもクラブ全体でも、自分たちの意見を聞いてくれること。

コーチの視点

それは、ユースコーチの役割を果たし、若者の人生のキーパーソンとしての責任を果たせるコーチ、あるいはコーチチームを持つことなのです。

ハンドボールに必要な技術を持ち、かつ、指導力、モチベーション、人間関係を構築できるコーチ。

若い女の子と若い男の子に対応するためのジェンダーのニュアンスを見抜き、使いこなすことができるユースコーチが必要です。

このようなコーチは、クラブで総合的に働き、若者が学年やコーチを変えたときに、ある世界から別の世界へ行くという経験をしないように、「橋渡し役」になることができるのです。

クラブの視点

若い選手を確保し、ハンドボールというスポーツを普及・発展させることに成功するには、「フルパッケージ」を提供できるクラブが必要です。

つまり、明確な姿勢と価値観を持ち、質の高いスポーツの提供（トレーニングや試合）、関係者全員が良い経験をできるような補完的な活動を行うクラブということです。

監督、コーチ、その他のボランティアは、選手や保護者とともに、協会での「日常生活」を充実させる役割を担っているが、日常のルーティンも時には崩し、変化に富んだものにしなければならない。

これは、魅力的なスポーツ環境を作るのに役立ちます。

スポーツの視点

トレーニングは、毎回良い経験となり、選手たちが嫌がるようなことであってはいけない。

学習、楽しみ、運動に焦点を当てるべきである。

各プレーヤーは、トレーニングや試合の両方で成長する機会を持ち、スキルの習得とスポーツレベルの向上を経験することが必要です。

チームスポーツとはいえ、個人の集中力が必要です。

ユースコーチは、ユースハンドボールの指導的役割と大きな責任を担う覚悟が必要ですが、当然、一人ではできません。

他のすべての文脈と同様に、チームワークが必要です。