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新しい友達とバイリンガル教育の話

話が前後するけど、2週間ほど前にプレイデートをしてきた。プレイデートというのは、子連れの家族同士で一緒に遊ぶことである。たぶん。調べてないからよく分からないけど、そういう意味で使っている。

国際線の飛行機に乗ったりすると、たまにやたらとフレンドリーな外国人がいて、初対面なのに気さくに話しかけてきたりするが、私の夫がまさにそのタイプで、そんな夫が娘を連れて公園に遊びに行ったときに出会った家族の旦那さんもまた同じタイプだったので、意気投合し、連絡先を交換し、そして実際に遊ぶことになったのであった。

そこの家族は旦那さんがイギリス人で、奥さんが中国人、娘と同い年のFちゃんと、もう少し年下のVちゃんの4人家族だった。同じアジア人ハーフというのでお互いに思うところでもあったのか、初対面からうちの娘とFちゃんは親し気に遊び、帰るときは二人とも大泣きして別れたらしい。そして2週間ぶりの再会、となったわけである。

奥さんは出産後ずっと専業主婦で、Fちゃんが小学校に上がる前に子どもたちを連れて2か月弱中国に里帰りし、その間家族親戚とみっちり中国語生活を送ったそうだ。ただちょっと時期が悪かったのか、ほんのわずかな間にすっかり中国語が第一言語になってしまったFちゃんは、英語がよく分からない状態で小学校入学を迎えて大変だったらしい。学校生活はもう問題ないようだが、Fちゃんは今も英語で話すときに少しどもり、若干のアクセントがあった。こういうのを見るとバランスの難しさを実感する。一方妹のVちゃんは中国で過ごした時には幼すぎたせいか、中国語は定着せずに英語が第一言語になっているのが奥さんの悩みの種らしかった。

さてうちの娘はというと、99.999%英語。いかんせん私は娘が生後7か月の時にフルタイムで職場復帰し、完全に英語のみの託児所で長時間を過ごした娘にあまり選択肢はなかった。

それでも少しくらいは、と、自宅にいるときは日本語で話しかけたりもしたが、だんだん娘が私の日本語に不快感を示すようになり、私が日本語を話すと地団太を踏んで「No!No!」と叫んだりするに至って私の心はポッキリ折れた。私も意地になって生後半年から朝だけは「おはよう」と言い続けてきたが、それにきちんと日本語で返してくれるようになったのは4歳を過ぎてからだ。今思うと、日本語どころか私の存在そのものが異物認定されていたのでは、という気がしなくもないが、今は料理でがっちり胃袋を掴んでいるのでたぶん大丈夫だと思う。たぶん・・。

娘の英語は、日本語の入る隙がないので完全にネイティブで、口を尖らせて大人の口真似をしたり、学校ごっこで先生役をするのが大好きだ。託児所にいたコックニー訛りのスタッフの真似をすることもある。この年齢の子供の吸収力はすさまじいので、好きだからたくさん喋り、そして喋るほどにどんどん上達する。既に私の英語の発音や言い間違いを指摘するほどで、すっかり母はみそっかす扱いだ。

ただ自分に日本人の血が流れているという自覚はあるらしく、日本語を教えて欲しいと言ってくるときもあるが、発音が完全に外国人のソレである。そして私が「イチゴ」と言うとなぜか夫がやって来て「イッチゴ」と言い、子どもが夫の真似をして「イッチゴ」と言うのでまったくもって台無し。

もうこの状態から一発逆転するには、本人のモチベーションなしには不可能だが、コロナ禍で身動きも取れず、これといった秘策も思い浮かばず絶体絶命だ。これから娘のバイリンガル教育が始まるのか始まらないのか、続編に乞うご期待。

これは娘が書いてくれた日本語。なんて読むんだろう?

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