掃除の神が舞い降りた

12月は色々あった。そして1月も後半の現在イギリスは三度ロックダウンの真っ最中である。

それはそれでおいおい書くとして、年明け、取りつかれたように大掃除を始めてしまい、いまだに止まらない。

最初に手を付けたのはキッチンだった。以前より買い置きをする量が増え、あちこちの隙間にパスタを詰め込んでしまったり、夫の趣味置き場に日本のお菓子を詰んでしまったり、気になってはいたけど数か月は見て見ぬふりを続け、そして突然スイッチが入った。

我が家の収納には引き出しがほとんどなく、棚の中は間仕切りの板が並ぶだけである。ここに物を積むと、たいがいは雪崩が起きるか、上の方の空間がデッドスペースになるしかないので、家を買った当初に苦心して数か所に引き出しをはめ込んだ。が、当時は日本のように気の利いた収納グッズなどロンドン市内のMujiくらいにしか売ってなくて、値段も日本の2倍くらい。収納スペースを全部改造しようとすると、とんでもない出費だなと思ったとたんにやる気がなくなって、ほとんどの棚は手つかずのまま、不便なまま10年ほど使い続けて今に至る。

せっかくやるからには大改造だと心に決め、棚の寸法を測り、John Lewisのサイトとにらめっこして、プラスチックのトレイ、バスケット、それからファブリック製の(洗濯かごに使うような)バスケットを注文した。

調味料はここ、製菓材料はここ、と場所を決めていく。お約束イベントだけど、奥から発掘される2013年賞味期限のスパイス類。お菓子には大きめのスペースを充て、ここがいっぱいのときはもう追加で買わないようにしよう、とルールを決める。なんとなくとっておいた保存容器も処分し、お弁当箱や水筒もひとまとめに。

そしてキッチンがすっきりすると、今まで手付かずだった自分の部屋や子ども部屋も一気にやってしまうかという気持ちになった。大掃除は将棋倒しみたいなもので、一つずつ順番に整頓していくと結局全部動かすことになるんだな、などと思いながら再びJohn Lewisで収納グッズを物色。気の利いたプラケースがあるぞと思って頼んでみたら、なんと日本製だった。(Like-itというシリーズ)これはイギリスのホームセンターで売ってるやわやわな引き出しとはわけが違う。値段も違う。しかし揃えるならこれしかない、ということでざっと15個くらい購入したのであった。300ポンド超の出費だったが致し方ない。

そして各所から発掘される雑誌、買い置きのシャンプー、ストッキング、バッグ類。残念なことに今はチャリティショップが閉まっているので、地域のコミュニティで呼びかけたり、思い切って捨てたり、値段の付きそうなものはこまごまとeBayに出品したりで、スペースを作りながら整頓を進めている。

やはりものは一か所にまとめるのが正解だな、と思いながら今は服の山を見つめているところだ。過去2-3年で使わなかったものはこの先も使うことはないだろうと思うに至り、なんとなく踏ん切りの付かなかったバッグや靴も思い切って手放すことにした。

きれいになると気持ちもすっきりしていいものだ、という当たり前のことを今更ながらかみしめている。


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