見出し画像

【Scrum Master Training for Women】9名の受講者と共に学んだこと-3つのR


参加者たち!写真も快く顔出しokしてくれた


旅路のはじまり


2022年6/13-15日、一年越しの取り組みがついに実現した。私にとっても新たな旅路のスタートとなったこの研修のインパクトは、
9名の女性がそれぞれの組織や業務の中で次の一歩を踏み出すことだ。

この研修に大いなる目的と期待を持って挑んでくれた勇敢な女性たち。一緒の場所に居れることが本当に誇らしい。
皆の仕事環境は決して楽なものではない。逆境に立ち向かおうとしていたり、新しい考え方をどのように自分自身で整理し、人に伝えていくか、まさに悩みの渦中にある人達ばかりだ。

----
これまでの仕事の進め方に違和感を感じていること
それがどこから来るものなのかを整理したい

アジャイルを実践していてもうまくいかないことが続き、
それがなぜなのか、当事者であるが故に分からなくなってしまったので今一度基本に立ち返り見直したい

本やWebにはたくさん情報が転がっていて、何が本当のことなのか分からなくなってしまった
整理し、自分の言葉で伝えられるようになりたい

アジャイルやスクラムのエッセンスを学び、自身の仕事の中で
どう活かしていけるのかを考えたい
----
悩みながらも、「自分がどうしていきたいか」に焦点が当たっていて建設的な印象だった。
きっと、いや確実にこれからの組織やプロダクト開発を牽引していく女性リーダー達だと思う。

研修について

研修についてはオンラインで行った。
オンラインであっても、参加者の感性が開くような仕組みをたくさん取り入れた。
例えば、

  • チェックインとしてグランドルールを毎日更新する

  • 毎日の終わりにPhoto-Jounalingの任意宿題を追加する

など。ちなみに私のトレーニングは20分話したら大体グループワークに入る。
今回は参加者のパーソナリティや、研修後のコネクション作りも考慮して、同じグループで固定せず毎回シャッフルでグループを作成した。

Incrementとは何か?


印象的だったのは中盤のスクラム体験ワーク。
そこでは、Increment(検証可能な成果物)について考えを深めた。
スクラムでいうIncrementとは、普段の業務のアウトプットの出し方、出す内容、報告方法とどう違うのか。
お互いのどのような振る舞いや相互作用が、共感を呼び、チームが機能することに繋がるのか。
実践を通して学ぶ中で、以下のような学びが多く寄せられた。

参加者の気づき(一部抜粋):

  • (デモとスプリントレビューの違いについて)開発メンバーのプロダクトへの関心の持ち方が違いとして現れるのではないか。デモで質問会のようにするより、スプリントレビューの参加者(PO /ステークホルダー)と”一緒にいいものを作っていく””一緒に船に乗っているとわかる”ことが大事

  • ワクワクするものが最終的に出来上がった。普段は、最終ユーザーがどうしたいのか、不明点も解消仕切らないまま作業していることが多々。より良いゴールに向け障壁になることは取っ払っていこうという考えになった。

  • 動くプロダクトこそ課題や改良点を見つけるために一番良い材料だと言うことがわかった。やっていることは普段の業務と似ているのに、スプリントごとに検証して改善するだけで随分違うことを体感できた

役割と責任。あるべきリーダーシップについて独自の観点で考える

もう一つ、役割と責任、と言うところにも切り込んだ。
「役割はありながらも、オーバーラップする」と言う態度が大きく製品開発結果に作用することを伝えるためだ。

私たちは普段、肩書き(と言う構造)が行動や関係性に変化を及ぼすことに無頓着なのかもしれない。
肩書きがあると、その肩書き該当者が社内規定上の内容をやってくれることを他の人は期待し、
その通りにならないことにストレスを抱えてしまう。
いつの間にか「自分はその状況に対してどう動くといいと思うのか」、については棚に上げられていることがあり、
これが、よくある「結果への無関心」に繋がる一つのパスなのだろうと思う。

ScrumGuideにある役割は、プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者と3つでシンプルだ。
それでも上記と同じような気持ちになることがある。
だからこそ、Guideに書かれたものに盲目的に従うのではなく、
なぜこの役割が必要なのかとか、
自分たちにとってのその役割があることで何が果たされるのか、
お互いで期待し合いたいことなどを語り合うことが大事なのかもしれない。
同時に、日々の責任の全うは、当たり前に頑張る、と言うのはあるけれど、困った時にはヘルプが出しやすいand/or 自然にヘルプやフィードバック、リクエストしあえる環境も作りたい。
誰だって、完璧ではないのだから。

彼女たちのスクラムワークはかなり示唆に富んでいた。(Co -TrainerであるWomen in Agileメンバーの仕掛けも功を奏した)
動きを見ていたら、そこには3つのRーRespect, Request, Reactーが大きく関わっているように感じた。

3つのR


Respect:お互いを信頼し、傾聴する
React:周りの状況に反応する、相手の言葉に反応する。気持ちや言葉を返す、反対意見も厭わず言う
Request:相手にお願いしたいことを伝える

このトレーニングではとにかく会話が途切れたことがなかった。
3つのRの源泉は、「関わっていこう」とする姿勢、意図的な協働だ。

最後に

最後に、今回女性限定とあえて括って開催してみた。
結論として、彼女たちから寄せられたコメントは総じてポジティブに受け取っていただけた。
女性限定であってもなくても、学びにいこうと動機が生まれて、実際に業務での行動を起こすきっかけになってもらえたら、
それでいい。
しかし実際に、こういった機会はプロダクト開発に関わる女性に力を与えるのだと改めて理解ができた。
(そして、業界的に本当に男性が多いなと改めて思った!)

私もこれからもイキイキと、感性豊かに、学びを深め挑戦するきっかけができる環境を引き続き作っていきたいと思っています。
運営に協力いただいた全ての方々に、ありがとうございます。
また、参加者が受講するにあたって支援していただいた組織の方、マネジャーの方、そのほかすべての協力者の方々、本当にどうもありがとうございます。

引き続き、どうぞよろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?