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「出会った人とは縁を切らない」人との信頼関係を何より大事にする銀座高級クラブママ、”銀座なでしこ会”代表白坂 亜紀さん


 早稲田大学在学中に女子大生ママとして脚光を浴び、その後競争の激しい銀座でリーマンショック、東日本大震災の危機を乗り越えながら現在高級クラブや料理店を経営する中で銀座から日本文化、環境問題などを提起、発信し続ける”白坂 亜紀さん”にお話を伺いました。

白坂 亜紀(しらさか あき)さんプロフィール
1966年 大分県竹田市生まれ 生家は現在瀧廉太郎記念館。父は読売新聞通信部記者 母は珠算塾経営 精神科医の兄。
1985年 早稲田大学第一文学部入学 日本文学専修
1987年~ 日本橋の老舗クラブにて勤務。女子大生ママとなる。
1996年 銀座五丁目、七丁目にクラブ二店舗を開店。故郷の川の名前から「稲葉」と名づける。20代で銀座クラブ二店開店ということで、写真誌「フォーカス」「ダカーポ」フジテレビ「銀座女絵巻」等々で紹介される。
2003年 「Bar 66」を開店 早稲田の同級生がマスターを務めるので二人の生まれ年1966年と、18時~翌6時まで営業ということで、名づける。
2004年 「銀座きくち」開店。道場六三郎氏の一番弟子、菊池直美が料理長を務める。現在の店名は「日本料理 穂の花」
2007年 GSK(銀座料飲協会)理事となる。
2009年 NHK「ふるさと一番」に出演、銀座緑化を語る。
2009年 五丁目のクラブを「音楽ラウンジ」に。音楽スタッフを揃え、生演奏の店にする。
2010年 GSK(銀座社交料飲協会)銀座緑化部長となる。銀座屋上での農作業について、NHK首都圏ニュース他で報道される。
2011年 京都造形芸術大学東京学舎で講座を持つ、「銀座のママに学ぶ、人間力、女子力、ビジネス力」。
2012年 銀座の秘密――なぜこのクラブのママたちは、超一流であり続けるのか - すご腕女性10人の金言 中央公論新社 を出版。
2013年 志高い女性の会「銀座なでしこ会」発足。銀座から日本文化を発信する。
2015年 銀座料理飲食業組合連合会 理事
大分県竹田市東京事務所所長に就任
2016年 銀座ミツバチプロジェクト理事に就任
2017年 銀座の流儀「クラブ稲葉」ママの心得帖を出版。
2018年 NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』「銀座、夜の女たちスペシャル」 に出演

記者:どのような夢・ビジョンをお持ちですか?

白坂さん(以下敬省略):究極の夢、ビジョンは世界の恒久平和です。世界で戦がなく、地球人としてお互いが助け合って生きていける、そのような世界であること、そして日本が平和であり続けることです。でもその夢は大きすぎて今すぐ自分一人で実現できるものではありません。なので、まずは自分から出来ることとして、周囲の親しい方々と調和し、平和な関係でいること、そしてその輪を少しづつ広げていけたらと思っています。

記者:その夢・ビジョンを具現化するためにどのような目標・計画をたてていますか?

白坂:7年前に「銀座なでしこ会」を発足させました。まずは銀座なでしこ会を継続させることです。長くお付き合いを続けることでお互いの信頼関係を築き、いざとなった時に協力し合いながら社会に影響を与えていけるよう、活動を続けることが今の目標です。
 「銀座なでしこ会」は当初は志の高い女性の集まりということで会員を募り発足させましたが、志が高い、というところにプレッシャーを感じる人もいたので、現在は女性が楽しく集まれる場として歌舞伎の鑑賞会や著名人の講演などを企画運営しています。何かあった時に女性の力でお互い知恵を出し合って社会に訴えかけることができるようその基盤づくりをしているという目的があります。人はいきなりは仲良くはなれません。価値観が合うなと思った相手でも時間がたてば離れていく人もいます。しかし関係を保ち続けるには長い時間をかけて、そのお付き合いの中から様々なことがうまれる中でお互いの信頼関係を築いていく、それが何より大切なことだと思っています。

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記者:白坂さんにとって、女性の力とはどのような力のことですか?

白坂:女性の力とは、「継続力」と「調和力」です。
 社会の中で、男性は競争の中でハードな仕事をこなし、大きなビジネスを展開します。女性は結婚して仕事を辞めて社会的なポジションがあるわけではない状態でも、ボランティアや地域の活動、趣味の活動など営利目的ではないけれどもなくてはならない活動、人を幸せにすることを目的にして活動をしている人がたくさんいます。男性のハードな仕事や大きなビジネスだけでは成り立たないようなところを女性の活動で埋めている。そうして日本のいう国は成り立っていると思います。女性には水のようにサラサラと小さな隙間にまで浸透していく力があると思います。そしてそれができるのは女性に「継続力」と「調和力」があるからに他ならないと思っています。
  日本は女性が尊敬されている国です。銀座の高級クラブのようなお店は他国にはない日本だけの特徴です。それは女性ならではの力が大切にされているということです。

記者:継続力と調和力についてもう少し詳しく教えてください。

白坂:私はクラブを経営していますが、どんなに能力があっても・・・例えば美人で、話が上手で、お酒に強くてゴルフがうまくてもお客さんを呼ぶことができなければ意味がないのです。どんなに能力があっても常に自分を顧みて努力をし続けることができないとお客さんを呼べないのです。それをするには「継続力」が何より必要です。自分の能力を高めるための努力をし続けることはもちろんのこと、相手との関係を良好に保ち続ける姿勢も求められます。また、女性はそれができるから銀座のクラブは成り立つ、お客さんは高いお金を払ってお店に来てくださるのです。
 ホステスの仕事は男性の下支えをする仕事です。言い換えれば男性にできないことができるから仕事として成り立っているのです。クラブは接待で使われることが多いのですが、男性は日々戦っています。いきなり男性同士が仕事上の話を仲良く話し合うのは難しいのですが、私たち女性がその隙間に入ることで男性は握っていた武器を下ろしお互いが本音で話し合える場を創ることができる、そのような「調和力」は女性の力だと思います。
 そして調和力はチームプレーを生み出します。クラブの経営で大切なのは周囲の人とのチームプレーです。自分だけが、経営者だけがと誰か一人が良ければいいのではなく関わる人みんなが底上げになるように協力していくことが大切だと思っています。

記者:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?

白坂:私のライフワークとして銀座での養蜂活動があります。「銀座みつばちプロジェクト」という都市と環境が共生するプロジェクトです。
 最初はおじ様方が銀座で無邪気に楽しく養蜂をやり始めた、というところが出発なのですが、実はここから意外な展開になりました。今世界中でミツバチがどんどんいなくなっているのをご存じでしょうか?その原因は電磁波である、ということになっていたのですが、都会の銀座で養蜂ができるということはミツバチがいなくなる原因は電磁波ではないことを証明できたのです。そして本当の原因は農薬であることが解ったのです。銀座では電磁波はありますが農薬は使われていません。ミツバチは植物の交配を担う人間にとっても大切な生き物です。銀座からそのような環境問題にまで踏み込むことができた養蜂は、最初はおじ様方が楽しくやっていた養蜂に女性の私が参加したことによって調和が生まれもうすでに15年以上続いています。銀座から環境問題や食の安全性を発信できたことは銀座の可能性を広げることになりましたし、自分の活動の輪を外に広げていくことにもなり、夢の実現に一歩近づけたと思います。

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記者:夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

 白坂:私が20代のころヤマト運輸の社長である小倉昌男氏より、「夢はあるか?」と聞かれたんです。その時に「夢とは自分のことだけではなく、他人を想い他人に共感すること。そして他人に共感されるようなことだ、それを志というのだ、そしてそれを実現するために使命感をもって生きることなのだ」ということを言われました。小倉社長は入院先からも秘書の方を通して私にメッセージを届けてくれました。その時はまだ自分も若く、小倉社長のおっしゃっていることがどういうことなのか解らないところもありましたが、何か心にじわっと来るものがあったんです。「女性は色気だけではなく知性も大事なのだ」という小倉社長の言葉は今も忘れません。そこから私は常に自分を顧みながら自分を高め続けることに意識を向けてきました。
 そして私の両親は常に人の役に立つことを惜しまない人でしたのでその影響も大きいと思います。

記者:重要なポジションで立場を全うし続けることは他人のエゴやジェラシーを受け続けるというハードルがあると思います、それをどのように乗り越えてこられましたか?

白坂:様々な活動の中でリーダーシップをとる場面がありました。そのときにいろいろなことを言われてきたということは確かにあります。しかし常に自分と対話をし、地球の中で自分が産まれてきて今ここで生きている意味を問い続け、それをやれているかに意識を向けていると他人のエゴ感情やジェラシーは気にならなくなります。和服で養蜂をしていればどうしても目立ち、脚光を浴びてしまいます。でも何を言われてもやり続けました。そうしているうちに他人の嫉妬に振り回されない自分になります。最初は何を言われても、やり切った人はいつの時代も賞賛されますからやはり継続力が大切だと思います。そして一日が終わった後、その日の自分の心の在り方を見つめる時間をとるようにしています。これは余談ですが、私は心だけではなく肝臓にもお疲れ様、と言うようにしています。

記者:読者の方へメッセージをお願いします。

白坂:日々の生活の中で一人一人が究極な幸せ、生き方を心がけていたら社会は美しく調和していくと思います。安倍首相が掲げた”美しい日本”に私はとても惹かれました。今後他の国々とどう調和していくのか、日本人が一番調和力があるので日本人ががんばらないとと思います。そしてもっと女性のリーダーが増えていくことにより調和していく世界が実現されていくと思います。

ありがとうございました!白坂さんのご活躍は以下のHPよりご覧いただけます

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【編集後記】
 インタビューを担当した岩田、松岡です。今回白坂さんのお話を聞き、白坂さんの「無我」そのものの姿勢に大変心を打たれました。柔和な笑顔の下に真の女性の力強さを感じ、最初から最後まで感銘しっぱなしのインタビューでした。ありがとうございました!


この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。



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